イエローストーン公園が前代未聞の全面閉鎖、大嵐で被害
世界的に有名なアメリカのイエローストーン国立公園が、洪水被害のため、当面の間閉鎖となった。メディアによれば、全面閉鎖されるのは過去34年間で始めてのこと。
公園に入る全ての道路を閉鎖
同公園管理局のCam Sholly氏によれば、記録的な大雨による被害で、公園に入る全ての道路を閉鎖するとのこと。閉鎖される期間は「少なくとも数日」と発表されているだけで、はっきりはしていない。
公園には、ワイオミング州、モンタナ州、アイダホ州から入る5本の主要道路がある。その中でも、公園北側から入る道路沿いの地域で、地すべりや山崩れが多発している。公式ツイッターには、公園内を流れるガーディナー川を上空から撮影した動画が投稿されているが、それを見ると、濁流によって無残に破壊された道路の様子が分かる。
Current conditions of Yellowstone’s North Entrance Road through the Gardner Canyon between Gardiner, Montana, and Mammoth Hot Springs.
We will continue to communicate about this hazardous situation as more information is available. More info: https://t.co/mymnqGvcVB pic.twitter.com/S5ysi4wf8a
— Yellowstone National Park (@YellowstoneNPS) June 13, 2022
モンタナ州ガーディナー(公園内の村)と巨大温泉を結ぶ、ガーディナー峡谷の道路の様子。
この危険な状況について、今後も情報が入り次第お知らせします。——Yellowstone National Park @YellowstoneNPS
「空の川」がもたらした大雨
被害をもたらした豪雨は、「空の川(river in the sky)」とも呼ばれる空気の流れが原因と報じられている。これは、非常に湿度の高い空気の流れのことで、今回は太平洋上空からイエローストーン公園を含むアメリカ西部一帯に流れ込んだ。また、この地域の気温が継続的に上昇していたため、空気の流れに含まれた湿気が多くなり、洪水を引き起こすほどの記録的な雨量となったという。
公園の運営再開の見通しについて、管理局のSholly氏はこう話す。
「洪水が収まり、水が引いてから、公園全体の被害状況を調査できるようになります。公園の再開をいつにするかは、それからでないと分かりません。北側の周回道路は、おそらく相当長期間の閉鎖となるでしょう」
発足150周年を迎えるイエローストーン国立公園は、1988年に1度、大規模な山火事で全面的に閉鎖されたことがあると報じられている。(了)
出典元:Mashable:Intense helicopter footage shows why Yellowstone National Park just closed(6/14)
出典元:Metro:Yellowstone National Park closed for first time in 34 years amid massive rockslides and flooding(6/14)