ツイッターの元社員が、サウジアラビアにユーザー情報を渡していたとして有罪
先日、アメリカでツイッター社の元社員に対する裁判が開かれ、情報を売っていたとして有罪判決が下された。
スパイ活動をしていた疑惑
その元社員とは、アーマド・アブアンモ被告だ。同被告はアメリカとレバノンの二重国籍を持ち、ツイッター社では、中東や北アフリカのジャーナリストや有名人との関係を監督していた。
しかしツイッター社を退社したのち、サウジアラビアのスパイとして活動していたとして訴えられ、サンフランシスコ連邦裁判所で2週間半にわたる裁判が開かれていたという。
その結果、11の訴因のうち5つについては無罪となったが、サウジアラビア側にユーザー情報を売却し、金銭を受け取り、マネーロンダリングしていたとして有罪判決が下された。
サウジ王室を告発した運動家の情報も
検察側の主張によれば、サウジアラビアのサルマン皇太子の側近であるバーダー・アル=アサカー氏が、同国の反体制派の個人情報を探るためにアブアンモ被告を勧誘したという。
その個人情報には、「アラブの春」の反乱でサウジ王室の汚職や、その他の悪行を告発した政治運動家の「@mujtahidd」さんも含まれていたそうだ。
また検察側は、アブアンモ被告がアル・アサカー氏から少なくとも30万ドル(約3900万円)と2万ドル(約260万円)の高級腕時計を受け取り、レバノンの親戚の口座に預金して、アメリカの自分の口座に送金させることでお金の流れを隠蔽したと述べている。
一方、弁護団は、アブアンモ被告がツイッターで行っていた仕事は、単に業務の一環であったと主張した。
しかしサンフランシスコの連邦検事、ステファニー・ハインズ氏は声明で、「政府は、アブアンモ被告がツイッターの顧客から個人情報を預かるという神聖な信頼を裏切り、個人情報を外国政府に売ったことを証明し、陪審員もそれを認めた」と述べた。(了)
出典元:REUTERS:Former Twitter employee is convicted in Saudi spy case(8/10)