暴徒が警察署を襲撃、神を冒涜した容疑者を連れ出し、殺害【パキスタン】
パキスタンで、宗教に関する暴力事件が発生し、警察に拘留されていた容疑者が殺害された。
コーランを冒涜した若者
この事件について発表があったのが2月11日、場所はパキスタン東部のナンカナ・サヒブ市にある警察署とされている。
当時、警察署では、イスラム教の聖典であるコーランを冒涜した罪で、ムハンマド・ワリスと名乗る20代の男が拘束されていたという。
しかし神への冒涜に怒った暴徒が、警察署を襲撃。暴徒はワリス容疑者を引きずり出し、殴り殺し、遺体に火をつけたそうだ。
SNSで共有された事件の動画には、男が残酷に通りを引きずられ、裸にされ、木や金属の棒で叩かれる様子が映っていた。(動画は、あまりにも残酷なため掲載しない。下は暴徒が警察署に侵入する様子)
Total madness!!! An angry mob attacked the police station in Nankana Sahib. Reportedly an accused of blasphemy was killed and body burnt by the mob. Apparently police was unable to control the situation. pic.twitter.com/1kdNGFmqro
— Shiraz Hassan (@ShirazHassan) February 11, 2023
「少数の警察職員しかいなかった」
警察のスポークスマンである、ムハンマド・ワカス氏は、次のように述べている。
「警察署には(当時)少数の職員しかいなかったので、警察は彼ら(暴徒)に抵抗することができませんでした。しかし、警察の援軍が来て、暴徒が遺体に火をつけるのを防ぐことができました」(ただしSNSの動画では、すでに火が付けられた様子が映っている)
パキスタンのシェバズ・シャリフ首相は、この事件に着目し、調査をするよう命じたという。
また政府は、暴徒の暴力を止められなかったとして、多数の警察官を停職処分にしたそうだ。
過去にも度々、暴力事件が発生
冒涜の罪はパキスタンでは、非常に敏感で扇動的な問題であり、過去にたびたび暴徒による暴力事件が起きていたという。
2021年にはスリランカ人の衣料品工場長が殺害されており、この事件は国内外に衝撃を与え、89人の容疑者の集団裁判で、6人が殺害の罪で死刑を宣告された。
しかし、他の多くの事件は、法的に宙に浮いたままだという。国際的な人権団体は、冒涜に関連した殺人を阻止するために、パキスタン当局が十分な対応をしていないとして、長い間非難してきたという。(了)
出典元:INDEPENDENT:Mob drags out man from Pakistan jail and kills him on charge of blasphemy(2/12)