極右過激派の男が自宅で爆薬の実験を行い爆発、さらにテロ容疑で有罪に
イギリスで、爆発物を作る実験をしていた極右過激派の男が、有罪判決を受けた。
爆発物を所持していた容疑で逮捕
その男とは、イングランドのウェスト・ミッドランズの町、ウォルソール出身のヴォーン・ドルフィン被告だ。
2022年6月、当時20歳の大学生だった同被告は、祖父の家で逮捕されたという。その後、警察は同被告の自宅を捜索。その際、ニトロセルロースなどの爆発物を所持していたことが明らかとなる。
しかもドルフィン被告は以前、自宅のキッチンで爆発物を作る実験の様子を撮影し、極右チャットルームに動画を投稿していたそうだ。そして今回裁判で、陪審員が動画を視聴。その結果、一連の容疑で有罪判決が下された。
実験中、キッチンで火の玉が上がる
陪審員に公開された動画の中で、ドルフィン被告はキッチンで爆発物の混合物をブレンドしていたが、それらが爆発し、キッチンに火の玉が上がったと述べている。
また次のシーンでは、煙の充満した部屋の中で、ドルフィン被告がガスマスクを着けている様子が映っており、「ああ、このクソッタレな混合液は早々に固まった、なんてこった。次回は外でやるつもりだが、まあ、生きて学べばいいさ」と呟いていたという。
そして逮捕された当時、ドルフィン被告は警察に対して、「僕はテロリストじゃないんだ。化学物質と軍の事柄に興味がある、それだけだ」と述べていたそうだ。
USBからより危険な内容も発見
しかしその後、筒状のアルミから作った銃器を所持していたことも発覚。寝室の棚から見つかった暗号化されたUSBメモリには、ショットガンの組み立て方法、自家製プラスチック爆薬の製造方法、放火攻撃に関する一連のDIYガイドが含まれていたという。
またUSBメモリにあった暗号化されたファイルからは、「Boogaloo」という名前の電子フォルダが発見され、検察側はこの言葉が、極右界隈で「人種戦争」への言及として使われていたと主張した。
さらにドルフィン容疑者は、「テレグラム」の過激派チャンネルにも、携帯型の「キャノン」を作ることや、火薬の調合について書き込み、イスラム教徒へのヘイトもわめき散らしていたそうだ。
そして同被告は「(アメリカ人のテロリストである)テッド・カジンスキー(コードネーム:ユナボマー)が赤面するようなことをやる」と主張していたという。
このため今回の裁判において、ドルフィン被告はテロ犯罪の容疑で有罪判決を受けたそうだ。(了)
出典元:The Guardian:Far-right extremist who set off ‘fireball’ in his kitchen convicted of terrorism offences(4/28)