自動車に爆弾が仕掛けられ、親プーチン派の小説家が重傷【ロシア】
ロシアで、政権寄りの著名な小説家の乗る車が爆発し、負傷する事件が起きた。
運転手が死亡、小説家は重傷
その小説家とは、ザハール・プリレピン氏だ。彼は有名な民族主義作家で、ロシアのウクライナ戦争を熱烈に支持してきた人物とされている。
5月6日、モスクワの東約400キロに位置するニジニ・ノヴゴロド州で、プリレピン氏の乗った車が爆発。運転手が死亡し、プリレピン氏は骨折、肺の挫傷などの重傷を負い、入院したという。
自動車には爆弾が仕掛けられ、犯人は一旦逃走したが、その後捜査機関によって拘束されたそうだ。
ロシアの捜査機関は6日、著名な小説家を負傷させ、運転手を殺害した容疑者が、ウクライナの特殊部隊の要請で行動したことを認めたと発表した。
A few weeks ago somebody killed Vladlen Tatarsky in Sankt Petersburg, today an attempt on Zakhar Prilepin in Nizhny Novgorord. If there would be a fight between Russian factions then this is how it looked like. #Russia #NizhnyNovgorod pic.twitter.com/iYRvQdVnPx
— (((Tendar))) (@Tendar) May 6, 2023
クリミア併合後にプーチン支持者に
ロシアの調査委員会によると、容疑者はウクライナ出身で、取り調べに対し、ウクライナからの命令で動いていたことを認めているという。
ロシアのニュースメディアRBCは、プリレピン氏が5月6日にウクライナのドネツクとルハンスク州からモスクワに戻る途中、食事のためにニジニ・ノヴゴロド州に立ち寄ったと伝えている。
プリレピン氏は、2014年にロシア軍がクリミア半島を不法に併合した後、プーチン大統領の支持者となったという。
その後のウクライナ東部の紛争では、ロシアが支援する分離主義者側で関与しており、昨年、ロシアの本格的なウクライナ侵攻を支持したとして、EUから制裁を受けることに。
2020年、彼は政党「For the Truth」を設立。1年後、プリレピン氏の政党は、国会に議席を持つ民族主義政党「A Just Russia」と合併し、彼は共同議長に就任したそうだ。
ウクライナ侵攻開始以来、3度目
このような著名人を狙った事件は、ウクライナ侵攻が始まってから、3度目となる。
2022年8月、モスクワ郊外で自動車爆弾テロが発生し、「プーチンの頭脳」と呼ばれるロシアの有力な政治理論家の娘、ダリア・ドゥギナ氏が死亡。
4月には、サンクトペテルブルクのカフェで爆発があり、軍事ブロガーのウラドレン・タタルスキー氏が死亡した。
ロシア当局はこれらの事件すべてに関与したとして、ウクライナの情報機関を非難。しかし詳細な証拠などは示せていない。(了)
出典元:ABC News:Russia says bomber who injured novelist acted for Ukraine(5/6)