カルト教団の信者、200人以上の遺体を発見、飢餓の兆候を示す【ケニア】
アフリカのケニアで、カルト教団の信者の遺体が、数多く発見されている。
集団墓地から多数の遺体
5月13日、ケニアの沿岸地域、Kilifi郡にある広大な敷地内の集団墓地から、警察が22体の遺体を掘り起こしたという。
これにより掘り起こされた遺体は、今までのところ201人に達したそうだ。
遺体はすべて、ケニア沿岸部を拠点とする牧師、ポール・マッケンジー容疑者の信者のものと考えられている。
信者に餓死するよう命じる
マッケンジー容疑者は先月逮捕されており、現在も拘留されているが、彼は2019年に教会を閉鎖し、森林地帯にある自分の土地に移って農業を営んできたと言う。
そして同容疑者は、終末論を唱え、自らの信者に対し、イエス・キリストに会うために餓死するよう命じたそうだ。
先々週、100体以上の遺体に対して行われた検死では、犠牲者の死因が餓死、絞殺、窒息、鈍器による負傷であることが判明した。
また今回発見された22人の遺体も、そのほとんどが飢餓の兆候を呈していたという。
しかも地元メディアは、この事件の捜査官の言葉を引用して、体の内部の臓器が失われているケースを報じている。
行方不明者は610人にのぼる
このカルト教団を巡る事件では、26人が逮捕され、マッケンジー容疑者とその妻、その他16人の容疑者は、今月末に裁判所に出廷する予定だとされている。
しかし家族から行方不明と報告された人は610人もおり、今までの捜索・救助活動により何人の生存者が救出されたかは不明のままで、発見された時、歩くこともままならないほど弱っていた人もいたという。
宗教社会のケニアでは、カルト教団がはびこる傾向にあるが、ケニアの警察は、基本的人権に反すると考えられている他の宗教指導者を尋問しているそうだ。(了)
出典元:ABC News:Kenya cult death toll hits 200, with more than 600 reported missing(5/14)