椅子の形に合わせて木を育てる…英でユニークな家具を販売中
世にも奇妙な家具を作っている会社が、英国ダービーシャー州にある。
家具といえば木を削ったり、組み合わせたりして作るものだが、「Full Grown」という会社はそうせず、木を最初から家具の形に育てているのだ。
盆栽がヒントになった
会社を運営しているGavin Munroさん(46才)は、独自の家具作りのアイディアを、日本の盆栽から得たと言う。
ある時、大きく育ち過ぎた盆栽を見て、何となく王様が座る玉座のようだと思いました。それが家具作りのアイディアになりました。
2006年にMunroさんは、仕事のかたわら、英国中部の原野の一角に植えた木で椅子づくりの実験を始めた。作り方は、基本的に盆栽作りと同じで、芽を出した木を椅子型のフレームに沿わせて成長させていく。
そして2012年、奥さんのAliceさんと「Full Grown」社を設立。現在、ダービーシャー州にある8000平方メートルの農場(植林地)で、250の椅子、100の電灯傘、50のテーブルを育てている。もちろん、どれも実用のための家具だ。
エコフレンドリー
この家具は珍しいだけでなく、地球環境のためにもいいとMunroさんは言う。
普通の家具づくりは、50年かけて育てた木を切り倒し、工場で製材し、さらに細かく切り分けなければいけません。
その過程で、製材所や工場で様々な機械が稼働し、CO2を排出する。
それに対して私たちは、木を最初から望む形に育てるというやり方です。
この方法で家具を作るには、もちろんだが、手間もかかるし時間もかかる。例えば椅子の場合、木が椅子形に成長するまで6〜7年かかり、それを切り取って乾燥させるのにさらに1年かかる。
販売価格は電灯の傘が12500ドル(約135万円)前後、テーブルは大きさによって3100ドル(約34万円)〜 15600ドル(約170万円)。椅子は2030年まで予約でいっぱいだそう。(了)
出典元:MentalFross:English Couple Is Growing Chairs, Lamps, and Tables at Their ‘Furniture Farm’ in Derbyshire(10/5)
出典元:Reuters:From tree to chair without the carpentry: UK couple grows furniture(9/23)