「地獄への扉」と呼ばれる恐ろしい炎のクレーター、その成り立ちが意外すぎる
中央アジアの南西部に位置するトルクメニスタンのカラクム砂漠。そこにある「Darvaza・ガス・クレーター」をご存知だろうか。
●「人間が作りあげた自然現象」
これは常に炎が噴き出していることから通称「地獄への扉」、「炎のクレーター」とも呼ばれ、「人間が作り上げた自然現象」と考えられている。
「人間が作り上げた自然現象」というと矛盾しているように思えるが、実は成り立ちに事情があるらしい。
●ソビエトの科学者が石油やガスを探索
かなり以前になるが、2013年にYouTubeの「SciShow」で紹介された動画によれば、このクレーターが生まれたきっかけは1971年だという。
当時、旧ソビエトの地質学者らが石油やガスを求めて、このカラクム砂漠一帯を探索していたそうだ。
やがて熱心な科学者がガスの発生している場所を発見。ただちにドリルで地面に穴を開け、掘削を始めた。
●メタンが数週間で消えると判断
その結果、天然ガスが充満した巨大なポケットに突き当たり、地盤が崩壊。直径60m、深さ20mの穴ができ、そこに機械や装備も落ちてしまったという。
当時の事故では死亡者は出なかったようだが、穴からはメタンを中心とした大量のガスが放出されていたそうだ。
科学者らは、これが放出され続ける危険性や地元の環境への影響を考え、ガスを燃やせば数週間で消えると判断。そこへ火を放ったとされている。
●正式な報告書はない
それ以来、炎は現在まで45年以上も燃え続け、硫化水素のために腐った卵のような匂いを放ち続けているという。
もっともこれに関する正式な報告書はない。そのため具体的に何が起きたのかは、正確には誰にも分かっていないらしい。
しかし科学者らのおかげで、今ではこの場所が観光の人気スポットになっているそうだ。