カザフスタンで「サイガ」の個体数が増加、「絶滅危惧種」から脱する
国内外の効果的な保護活動のおかげで、絶滅危惧種に指定されていた「サイガ(オオハナカモシカ)」の個体数が増加した。
2005年には3万9000 頭
カザフスタンのサイガの個体数は、2005年にはわずか3万9000 頭にまで落ち込み、絶滅が危惧されていたという。
しかし、その後20年にわたる大規模な保護活動のおかげで、目覚ましい回復を遂げ、サイガの推定個体数は約200万頭にまで増えたそうだ。
これにより「サイガ」のレッドリストのステータスは、絶滅危惧種から準絶滅危惧種に変更された。
政府、研究機関、NGOが協力
この「サイガ」の保護活動にあたり、カザフスタン及び、その他の生息地の政府、研究機関、国内外のNGOによって、個体数を回復するために多大な努力が払われてきたという。
オックスフォード大学のDame E.J. Milner Gulland教授は、2023年12月12日のBBCのインタビューで、保護活動について、政府や学者、慈善団体、そして特に地元の人々の協力の重要性を強調した。
またカザフスタン政府も、種の回復において非常に賞賛に値するリーダーシップを発揮したと言われている。
カザフスタン政府は、密猟対策の取り組みや強力な法執行と国境管理措置、また新たな国家保護区の設立など、一連の行動に多額の投資を行ってきたという。
さらに「移動性野生動物種の保全に関する条約(CMS)」も、サイガの生息範囲にある政府と市民社会を結束させるなどし、非常に大きな役割を果たしたそうだ。(了)
出典元:University of Oxford:Unprecedented conservation triumph: Saiga antelope return from the red list(12/12)