ロシアのスパイと疑われたベルーガ、ノルウェー沖で死んでいるのを発見
以前、ロシアのスパイと疑われた人懐っこいベルーガが、ノルウェーの海で死んでいるのが発見された。
死んで浮かんでいるのを発見
そのベルーガは2019年、ロシア近くのノルウェーの海に姿を現し、ハーネスをつけていたことから、ロシアのスパイとして訓練されたのではないか、と疑われていた。
その後、このベルーガには、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領のファーストネームと、クジラを意味する「フヴァル(hval)」を組み合わせ、「フヴァルディミール(Hvaldimir)」と名付けられたという。
しかし8月31日、ノルウェー南部のリサビカ湾で、「フヴァルディミール」の死骸が浮かんでいるのを、釣りをしていた親子によって発見されたそうだ。
大きな外傷は見られなかった
過去3年間、このベルーガを監視してきた、海洋生物学者のセバスチャン・ストランド氏によれば、「フヴァルディミール」に大きな外傷は見られなかったという。
また死因も現時点ではわかっていないものの、8月30日には「フヴァルディミール」の状態は良好だったため、何が起きたのかを理解する必要があるそうだ。
「フヴァルディミール」は、2019年4月に北極圏のIngøya島の近くで、漁師によって初めて発見された。
このベルーガはハーネスと、小型カメラ用のマウント(取り付ける土台)のようなもの、そして「Equipment St Petersburg」と書かれたバックルを身に着けていたという。
このことから、ロシア海軍が軍事目的で訓練していた「スパイ・ベルーガ」ではないか、との疑惑を引き起こしたそうだ。
ただ「フヴァルディミール」は、その後も長年にわたってノルウェー沿岸のいくつかの町で目撃されており、非常におとなしく、人々と遊ぶことを楽しんでいたという。
「フヴァルディミール」の死骸はすでにクレーンで水中から引き上げられ、近くの港に運ばれており、今後専門家が死因などを検査する予定となっている。(了)
出典元:The Guardian:Beluga whale alleged to be Russian ‘spy’ found dead in Norway(9/1)