ノルウェーのスパイ・ベルーガ、銃で撃たれて殺された可能性
先日、ノルウェー沖で、スパイの疑いが掛けられた人懐っこいベルーガが死んでいるのが発見されたが、どうやら何者かに銃で殺されたとの見方が出ている。
愛称は「フヴァルディミール」
そのベルーガは2019年にノルウェーの沖合に初めて姿を現し、ハーネスなどをつけていたことから、ロシアにより、スパイとして訓練されたのではないかとの疑惑を引き起こしていた。
しかしその人懐こい性格から、人々に慕われて、「フヴァルディミール」との愛称が付けられ、動物保護団体などにより見守られてきたという。
Hvaldimir, the beluga whale accused of being a Russian spy, has died according to officials in Norway. pic.twitter.com/lRljV3TqFW
— USA TODAY (@USATODAY) September 4, 2024
ところが8月31日に、「フヴァルディミール」が、ノルウェー南西海岸の湾内で死んでいるのが発見された。
複数の銃創があったと指摘
動物保護団体「ワン・ホエール」の代表、Regina Crosby Haugさんはメディアに対し、「フヴァルディミールの体の周りには、複数の銃創があった」と語っている。
また同じく動物保護団体「ノア」のSiri Martinsen氏も、次のように語った。
「ベルーガの傷は憂慮すべきもので、犯罪行為の可能性を排除できない性質のものであり、衝撃的です。犯罪行為の疑いを考えると、警察が迅速に関与することが重要です」
「ワン・ホエール」と「ノア」は、「フヴァルディミール」が銃で撃たれて死んだとみており、その後ノルウェー警察に犯罪捜査の開始を求める告訴状を提出したという。
一方、同じくベルーガの動きを追跡していた3番目の団体「マリン・マインド」は、「死因を直ちに明らかにできるものは何もなかった」と説明。
傷の痕跡は見られたが、それが何であるかは断定するのは時期尚早だとし、傷の一部が海鳥によって引き起こされた可能性も指摘している。
推定年齢は15~20歳
「フヴァルディミール」の推定年齢は15~20歳。40~60歳まで生きるベルーガとしては比較的若いと考えられている。
「フヴァルディミール」の亡骸は9月2日に解剖のため、ノルウェー獣医研究所の地元支部に運ばれた。
同研究所の広報担当者によると、報告書は「3週間以内」に提出される予定だという。(了)
出典元:The Guardian:Beluga whale alleged to be Russian ‘spy’ was shot, animal rights groups say(9/4)