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チリで絶滅が危惧されたカエルをイギリスへ移送、30匹の子供が誕生

チリで絶滅が危惧されたカエルをイギリスへ移送、30匹の子供が誕生
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南米のチリで絶滅が危惧されているカエルが、ロンドンの動物園に運ばれ、今回数多くの子供が生まれたという。

 

「ダーウィン・ガエル」

 

そのカエルとは、「進化論」のチャールズ・ダーウィンにちなんで名付けられた「ダーウィン・ガエル」だ。

 

このカエルは南米のチリに生息していたのだが、2023年の調査の結果、「ツボカビ(chytrid fungus)」が南部のタンタウコ公園の森林に侵入したことが確認され、1年以内に監視対象の個体数が90パーセント減少するという壊滅的な事態に陥ったという。

 

そこでロンドン動物園の保護活動家らが、実際にチリに出向き、3センチ(オスの成体の場合)にも満たないこのカエルを捕獲し、53匹をイギリスへ輸送したそうだ。

 

そして今回、ロンドン動物園では「ダーウィン・ガエル」の子供が、33匹も生まれたという。

 

オスが子供を育てる

 

このカエルは、子供がオタマジャクシになるまでオスが鳴嚢(鳴き袋)の中に入れて育てるとされ、今回は11匹のオスによって育てられたそうだ。

 

ロンドン動物園の両生類担当学芸員であるベン・タプリー氏は、次のように述べている。

 

「これは、ダーウィン・カエルをツボカビの壊滅的な影響から守る私たちの活動における、画期的な瞬間です。親によるカエルの子育ての成功は、この種にとっての力強い希望の象徴であり、保護活動家が協力すれば何が達成できるかを強調し、私たちの保護動物園の役割を非常に重要な形で思い知らせてくれます」

 

またZSL動物学研究所研究員のアンドレス・バレンズエラ・サンチェス氏も、次のように語る。

 

「チリのパートナーと協力することで、ロンドン動物園の新しい住処でこれらのカエルを保護することができ、このユニークな種が回復する可能性を、確実に高めることができます。これらのカエルは、種の将来にとって不可欠であるだけでなく、ツボカビと闘い、世界中の他の両生類を保護する方法をより深く理解するのにも役立ちます」

 

保護活動家らは、この活動をフィルムに記録しており、2月3日には「希望の飛躍」というタイトルの映画として初公開される予定となっている。(了)

 

出典元:INDEPENDENT:Tiny endangered froglets saved from deadly fungus in dramatic 7,000-mile rescue(2/3)

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