野生のチーターに水を与えた職員、動画が拡散し、停職処分になってしまう

インドで、野生のチーターに水を与える森林保護局の職員の動画が拡散されたのだが、その後、職員が停職処分にされてしまった。
喉が渇いていたチーターに水を与える
その職員の男性とは、マディヤ・プラデーシュ州のクノ国立公園で運転手をしている、Satyanarayan Gurjar氏だ。
インドではチーターが1952年に絶滅したが、2022年にクノ国立公園に再導入され、チーターの個体数回復を目指す計画が進められている。
そしてGurjar氏は先日、金属製の容器に水を注ぎ、喉が渇いていた「ジュワラ」という名のチーターとその4頭の子に飲ませたという。
この時の動画は4月6日には投稿され、「心温まる」と評判になり、ユーザーらがGurjar氏の「優しさ」と「勇気」を称賛したそうだ。
また他のユーザーは安全への懸念を表明し、このような動物との遭遇を防ぐために、公園内に水源を設置するよう当局に求めたという。
Man Offers Water to Cheetahs in MP Village Amid Human-Wildlife Tension 🐆
In a rare and heartwarming moment, Satyanarayan Gurjar from Umari village, Vijaypur (MP), was seen offering water to a group of cheetahs in a large plate — a video that’s now making rounds online. pic.twitter.com/cDI1bgJTs6
— LocalTak™ (@localtak) April 5, 2025
訓練を受けた職員のみがチーターに近づける
しかし森林保護局長のUttam Kumar Sharma氏によれば、チーターを森へと導き、遭遇を避けるために、訓練を受けた職員のみがチーターに近づくことを許可されているという。
そしてGurjar氏の行動は、職員に距離を保つよう明確に指示されている規則に違反しているとし、その後彼は停職処分を受けてしまう。
この処分に対して、地域住民が抗議。その結果、森林保護局は停職処分を撤回し、Gurjar氏は職務に復帰することができたという。
森林保護局は、Gurjar氏の違反が今回初めてだったため、警告のみの処分で済ませたとし、今後、苦しんでいる動物に遭遇した場合は、当局に連絡し、自ら介入しないよう指示したそうだ。
Gurjar氏もBBCヒンディーに対し、「停職処分を受けましたが、今は復職しました。当局に感謝いたします」と述べている。
2022年から2023年にかけて、南アフリカとナミビアから20頭のチーターがクノ国立公園に移送されたが、今年も南アフリカからさらに20頭を受け入れる予定だという。(了)
出典元:BBC:Indian man who fed water to cheetahs in viral video restored in job(4/11)