29匹の子供を産んで生態系を守ったトラ、スーパーママ の死にインド人が哀悼
インドのマディヤ・プラデーシュ州で、珍しいトラの葬儀が行われた。
死んだトラは、インド全国で有名な野生の雌トラで、名前は「Collarwali」。これまで多くのメディアに「スーパーママ」として取り上げられていたCollarwaliは、29匹もの子供を産み、森の生態系を守ることに貢献した。
インドのセレブトラ
Collarwaliは、マディヤ・プラデーシュ州内のペンチ・トラ保護区に棲む野生の雌トラだ。野生のトラは密猟などにより個体数が減っており、それが原因で森全体の生態系が崩れるのではないかと危惧されているが、Collarwaliは生涯で29匹もの子供を産み、個体数の減少を防いだとされる。
Collarwaliという名には「首輪付き」という意味がある。2008年に、保護区内で最初に発信機付きの首輪を取り付けられたのがこのトラだったからだ。
発信機を付けられて以来、Collarwaliの行動は詳しく記録され、一般メディアやSNSで報じられるようになったため、たちまちセレブになってしまったらしい。例えばイギリスのBBC放送は、2年間にわたってCollarwaliとその子供を追跡し、「Spy in the Wild」というドキュメンタリーの中で紹介しているという。
多くの人から花を手向けられ、火葬に
Collarwaliは、国立自然公園内のトラ保護区で今月15日に死んだ。死因は腸の障害とそこから引き起こされる合併症だった。年齢は16才を超えていたと報じられている。メディアによれば、飼育されたトラの寿命は22年ほどだが、野生のトラが生きられるのは約10年。16才を超えたCollarwaliは相当高齢で、もう寿命だったと言っていいようだ。
葬儀は国立公園の職員らによって執り行われ、多くの人が参列した。Collarwaliは手向けられた花と共に、ヒンズー教のしきたりに従って火葬された。
「この雌トラは、うちの保護区でも、また地域住民の間でも、非常に好かれていました」と、ペンチ・トラ保護区のAlok Mishraディレクターは言う。(了)
出典元:Metro:India bids emotional farewell to tigress ‘supermum’ who helped save a national park(1/21)
出典元:Facebook:Pench Tiger Reserve – Madhya Pradesh, India