世界で最も危険な草を趣味で栽培、理由は「退屈だった」から
普通の植物を育てるのに飽き足らず、ついに危険領域に踏み込んでしまったイギリスの園芸家が、海外メディアに紹介されている。彼は「世界で最も危険」な草を、檻に入れて育てている。
神経毒を持つ草
イギリス・オックスフォード市に住むDaniel Emlyn-Jonesさん(49才)が自宅で育てているのは、ギンピ・ギンピ(Gympie gympie)というイラクサ科の草。
まず、このギンピ・ギンピがどれほど恐ろしいかを紹介しておこう。
オーストラリア北西部に自生しているこの草は、全体が毛のような棘に覆われており、この棘には毒がある。それが尋常な毒ではない。特殊な神経毒で、長期間にわたって激痛をもたらす。その痛みの程度について、Wikipediaにはこんな例が載っている。
アーニー・ライダー (Ernie Rider)は、1963年にこの植物の葉で顔と胴を負傷したが、その苦しみについて、彼は「2から3日間、その痛みはほぼ耐えられないほどのものであった。私は働くことも眠ることもできず、2週間かそれ以上もひどい痛みに襲われた。この苦痛は2年間もの間続き、冷たいシャワーを浴びた時には、いまだに毎回痛みに襲われる。これに匹敵するものはない。他の痛みと比べても10倍以上は酷いものだ」と述べている。
海外メディアはその痛みを、「濃塩酸に焼かれる痛みと、感電する痛みを合わせたよう」と形容し、それが「何ヶ月も続くので眠れず、自殺する者さえいる」と書く。
葉や茎に軽く触れただけでもこうなってしまうというのだから、まさに「世界で最も危険」な草だ。
ゼラニウムには飽きた園芸家
こんなギンピ・ギンピだから、Jonesさんは扱いに細心の注意を払っている。人が出入りする庭には危なくて植えられないので、鉢植えを室内に置いている。来客がうっかり触らないように、周囲を檻で囲い、「DANGER(危険)」の札を下げてある。
それにしてもなぜこんなものを……とメディアに尋ねられた彼の答えは、「ガーデニングにちょっとしたドラマが加わると思ったんです」。植物は基本的に好きだが「ゼラニウムには飽きてしまいまして」という。
ギンピ・ギンピの種はインターネットで販売されており、彼はオーストラリアの会社から買ったのだそう。(了)
出典元:Metro:Man planted ‘world’s most dangerous plant’ because he was ‘bored’(11/1)
出典元:The Sun: I’ve grown the world’s most dangerous plant which has driven people to suicide – I keep it in a cage, says gardener(11/1)