アフリカ東部で最悪の干ばつ、野生動物たちが次々と死んでいく
アフリカ東部では、過去40年間で最悪の干ばつに見舞われており、多くの動物たちも命を落としているという。
今年、ゾウが200頭以上も死ぬ
東アフリカに位置するソマリアやエチオピア、ケニアでは、5年連続で雨季が満足な水をもたらさず、約2100万人が飢餓に直面しているという。
しかもケニアでは、シマウマやゾウのような干ばつに強い種が大量に死んでおり、ゾウについては今年、すでに200頭以上が死んでいるのが発見された。
ケニア南部にあるアンボセリ国立公園付近でも、葉っぱひとつない茂みが何十キロも続き、動物たちが餓死し、砂埃の中で倒れているそうだ。
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「すべてが死んでいる」
野生動物写真家のチャーリー・ハミルトン・ジェームズさんは、ケニアの著名な自然保護活動家ポーラ・カフンブ博士とともに、今月初めにこの地域を訪れ、上のような写真を記録したという。
ジェームズさんは次のように語っている。
「すべてが死んでいる。食べるものがないんです。干上がった砂漠です。水場の周りでは、たくさんの動物の死骸を見ることができます。何故こうなるのか、よく分かりませんが、やっと動物が水を飲んだと思ったら、そのまま倒れて死んでしまうんです」
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原因は気候変動だけではない
ケニアでは、干ばつによって推定250万頭の家畜が死に、危機の影響は乾燥した北部からさらに南へ、普段は青々とした草原のエリアへと移動しているように見えるという。
しかも国土の一部では、過去3年間、雨が満足に降っていないところもあるそうだ。
さらにこの地域の野生動物や農業にとっての悲劇は、それだけではない。干ばつ、家畜の死、生態系の変化が重なり、すでにこの地域の文化、経済、人々に甚大な影響を及ぼしている。
自然保護団体「WildlifeDirect」のCEOであるカフンブ博士によると、この危機の根本的な原因は気候変動だけでなく、より深いところにあるという。
牛などの家畜による過放牧(放牧のし過ぎ)が、ケニア各地の土壌をすり減らし、草原の回復力と生物多様性を奪っているそうだ。
これにより動物が餌として利用するのを避けるような、丈夫な植物や外来種の繁殖を許していると、カフンブ博士は述べている。(了)
出典元:INDEPENDENT:‘Everything is dead’: Animal carcasses litter Kenyan landscape as megadrought and climate change collide(11/18)
出典元:DW:Kenya says drought killed over 200 elephants this year(11/4)