90年以上も姿を消していた珍しい蝶、再びイギリスで姿を現わす
イギリスで、これまで姿を消していた蝶が、再び田園地帯で目撃された。
1925年から姿を消す
その蝶とは、白い羽に黒い葉脈のようなものが通っている、「ブラック・ベインド・シロチョウ(black-veined white butterfly)」だ。
この蝶はイギリスのウィンストン・チャーチル元首相が愛したとされるが、1925年に悪天候が続く中、イギリスから姿を消したと考えられている。
以来、この蝶を確認することはできず、イギリスでは絶滅したと考えられてきたが、先日BBCのレポーターがロンドンで、木の周りを飛んでいるのを確認した。
意図的に放たれた可能性
科学者たちは、現在進行中の気候変動によるイギリスの温暖化が、この種の復活に一役買っているのではないかと考えているという。
しかしイギリスの蝶の個体数を監視する慈善団体「Butterfly Conservation」は、その考えに懐疑的で、蝶は意図的に野生に放たれた可能性が高いとの見方を示している。
「Butterfly Conservation」はメディアに対し、「この蝶が野生で生き残って繁殖する可能性は低い」と語ったそうだ。
もっとも誰が、この蝶を自然の中に放ったのかは、明らかになっていない。
「Butterfly Conservation」は、人々に対し、蝶の帰還を絶滅種の自然回復と解釈することには注意を促しているものの、調査が健全に行われた場合、再び蝶が自然に導入されるのを支持しているという。
また、このような調査は、蝶が生息する場所が種の長期的な生存に適していることを確認するために、必要なことだと主張している。
チャーチル元首相はかつて、「『ブラック・ベインド・ホワイト』は我が国の蝶の中で、最も美しいものの一つで、その飛行は優雅で不規則だ」と記していたそうだ。(了)
出典元:METRO:‘Extinct’ butterfly species loved by Churchill mysteriously reappears in the UK(6/5)