人を殺したクマ、裁判所が殺処分を保留すると決定【イタリア】
イタリアで人を殺したクマに対して、殺処分を保留する決定が下された。
4月5日に人を襲い殺害
そのクマとは、「JJ4」と名乗る17歳のメスで、4月5日にアルプス山脈のカルデス村付近をジョギングしていたアンドレア・パピさん(26歳)を襲い、殺害したという。
この襲撃事件は、イタリアで初めて人がクマに殺害されたケースとなり、「JJ4」はその後、捕獲され、メディアの注目を集めてきたそうだ。
ローマ行政裁判所の判事たちは7月14日、クマは公共の安全のために檻に入れられるべきだが、殺処分は「不釣り合い」で不必要であると述べた。
ただし、まだ判決は確定的ではなく、12月までに上訴が行われ、そこで最終決定が下される。
動物保護団体は判決を歓迎
人が襲われたトレント県の首長はクマの処分を求めているが、動物愛護団体はクマが殺処分を免れるよう求めてきたという。
動物愛護ロビー団体「LAV」は、裁判所の判決を歓迎し、これでクマの安全な未来が確保されるはずだとして、次のように述べた。
「ルーマニアにある、安全で認可された保護施設へのJJ4の移送を、遅らせる理由はもうありません」
イタリア北部の都市、トレント周辺は、EUが資金提供したプログラムのもと、1999年からクマが再繁殖した地域とされている。
しかしここ数年、クマによる襲撃事件が数件発生しており、野生動物との共存が本当に成功するのか、といった疑問が投げかけられているという。(了)
出典元:The Guardian:Court grants reprieve to brown bear that killed Italian jogger(7/14)