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世界で最も中絶に厳しいアイルランドで国民投票、多数の賛成で中絶が可能に

世界で最も中絶に厳しいアイルランドで国民投票、多数の賛成で中絶が可能に

アイルランドで5月25日、人工中絶を原則禁止とする憲法の修正条項に関する国民投票が行われ、大多数の賛成により中絶が可能になる見通しとなった。

 

最も中絶が厳しい国での国民投票

 

アイルランドはカトリック教徒が多数を占め、人工中絶に関して世界でも最も厳しい姿勢をとってきたという。

 

1983年には投票により、同国内での人工中絶を原則禁止とする修正8条が憲法に追加され、母体にリスクがない場合に中絶を求めたり、手術を行ったりした場合には、最高で14年の刑に処されていたそうだ。

 

しかし今回の国民投票では、中絶禁止条項の廃止に賛成する人(中絶容認派)が66.4%、反対が33.6%という結果となり、人工中絶が合法化される見通しとなった。

 

36年間で17万人以上が海外で中絶

 

ABC Newsによれば、これまでアイルランドでは人工中絶が禁止されていたため、望まない妊娠をした女性は、イングランドや海外へ行き、手術を受けてきたという。

 

また「Irish Family Planning Association」の統計では、1980年から2016年の間に17万人以上の女性がアイルランドから海外へ行き、中絶を行っていたことが示されている。

 

そして今回の国民投票では中絶容認派と反対派との間では、激しいキャンペーンが繰り広げられたそうだ。

 

海外の国民に、母国へ戻り投票を促す

 

容認派のキャンペーンはLeo Varadkar首相の支援を受け、反対派はローマ・カトリックの教えを守る保守的なグループ、「The Iona Institute」などによる援助を受けてきたという。

 

ただ国会の中で多数を占める政党はこの議論においては立場を示しておらず、それぞれ政治家個人で投票することが許されていたそうだ。

 

そして国民投票が近づくにつれて、容認派と反対派のせめぎあいも激しさを増し、両派とも街に貼られた相手のポスターを違法に剥がすなどの行為も報告されたと言われている。

 

また両派ともに得票数を伸ばすため、海外に住むアイルランド人へ働きかけ、国に戻って投票するよう促し、SNS上でも「#HomeToVote」というハッシュタグと共に、それぞれの立場を主張していたという。

 

さらにキャンペーンでは、厳格に中絶を制限する保守派の支援者が、選択できる女性の権利を擁護する人々に対して戦いを挑むという構図にもなったとか。

 

妊娠12週以内の中絶を許す法案を審議予定

 

今回の国民投票により、アイルランドでは中絶が法律で認められる見通しとなったが、無条件に許されるわけではない。

 

国会議員らは最終的に条項撤廃が決まった場合、妊娠12週間以内の中絶や、母体に重大なリスクがある場合には12週間以降(24週まで)の中絶も許される法案を審議する予定だという。(了)

 

出典元:ABC News:Ireland overwhelmingly votes to repeal abortion ban, exit polls project(5/25)

出典元:BBC:Irish abortion referendum: New laws by end of the year – Irish PM(5/27)

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