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銃弾か刑務所か?アルゼンチンの新政権、抗議デモを大幅に制限

銃弾か刑務所か?アルゼンチンの新政権、抗議デモを大幅に制限
X_Patricia Bullrich

アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領が率いる新政権が今後、抗議デモを厳しく取り締まると明らかにした。

 

治安部隊の費用が請求される

 

新政権のパトリシア・ブルリッチ治安大臣は、12月14日に新たな規定を発表し、今後抗議する個人や組織は、ビデオやデジタルなどで特定され、「デモを取り締まる治安部隊の費用を請求されることになるだろう」と述べた。

 

その上でブルリッチ治安大臣は「国家は治安部隊の使用料を支払うつもりはない。法的地位を持つ組織が支払うか、個人が費用を負担しなければならないだろう」と語ったそうだ。

 

この規則の目的は、デモ参加者が数時間や数日、場合によっては数週間にわたり、市内の道路や高速道路を封鎖する、伝統的な抗議活動を防ぐこと。

 

ブルリッチ治安大臣は「私たちは何年もの間、完全かつ絶対的な無秩序の中で生きてきました。この手法、国民が受けている恐喝をやめるべき時が来た」とし、「歩道でなら抗議活動ができる可能性がある」と述べたという。

 

人権団体や野党は懸念を表明

 

しかしこの発表の後、人権団体や野党議員らは、この規則が合法的な抗議活動を事実上犯罪化するものだと懸念を表明した。

 

法律研究センター(CELS)は声明で、「この措置は、抗議する権利を攻撃し、社会的・政治的組織を糾弾して、デモを起こす人々を犯罪化するものである」と非難。

 

また左派議員、元大統領候補のミリアム・ブレグマン氏も、SNSの「X」において、「ブルリッチ氏が発表したことは、完全に憲法違反だ。抗議する権利は、あらゆる権利の第一になるものだ」と述べた。

 

これに対して、ミレイ大統領が率いる政党「Liberty Advances」に所属する議員、ホセ・ルイス・エスパート氏は、「刑務所か銃弾か」という言葉で応じたという。

 

今回の新しい規則では、警察に、デモで使用されるマスクや棒などを押収する権限を与え、青少年のデモ参加も制限し、親も制裁の対象になるそうだ。(了)

 

出典元:The Guardian:‘Prison or bullet’: new Argentina government promises harsh response to protest(12/17)

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