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安保理、ガザ地区への人道支援拡大の決議案を採択、停戦は盛り込まれず

安保理、ガザ地区への人道支援拡大の決議案を採択、停戦は盛り込まれず
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国連安全保障理事会が、度重なる延期の末、ガザ地区への人道支援に関する決議案を採択した。

 

15カ国のうち13カ国が賛成

 

国連安保理では12月22日、ガザ地区への人道支援を拡大する決議案の採決が行われ、賛成13票、反対0票、棄権2票で可決した。

 

15カ国のうち賛成したのは日本やイギリス、フランスなどで、アメリカとロシアは棄権した。今回、アメリカは拒否権を行使しなかったため、ガザ地区での事態打開を目指す安保理の決議案が採択されたのは、これで2回目となる。

 

もともとこの決議案は12月18日に採決が行われる予定だったが、決議案の可決に向けた準備を整えるために交渉が続き、連日延期されてきた。

 

「停戦を要求しなかったのは不当」

 

ただ世界的な人道支援組織である「国際救済委員会(IRC)」は、ガザ地区への支援に関する採択を歓迎しながらも、安保理が「停戦」を要求しなかったことについて非難し、次のように声明を発表した。

 

「国際救助委員会(IRC)は、ガザ地区全域のパレスチナ人への、あらゆるルートを通じた即時、安全かつ妨げられない人道的アクセス、国際人道法の遵守、安保理決議2720に含まれる人質の無条件解放の要求を歓迎する。これらは、人道的苦しみを救済するための前提条件である。

しかし、2万人以上のパレスチナ人が殺害され、最新の食料不安の数値が、ガザにおける前例のない飢餓の脅威を示していることから、明らかにさらに多くのことが必要とされている。

我々は、パレスチナ人の命を完全に守り、十分な人道的対応を可能にし、人質解放の最善のチャンスを提供する唯一の方法は、戦闘を停止することだと繰り返し主張する。人道的観点からすれば、安保理が即時かつ継続的な停戦を要求しなかったのは不当である」

ガザ中部への新たな攻撃を拡大

 

そんな中、イスラエル軍は12月22日にも、ガザ地区中部への新たな侵攻で、地上攻勢を拡大していると述べており、実際に全土で空爆、砲撃、戦闘が報告されている。

 

国連人道問題調整事務所(OCHA)は21日、最新のガザ地区での状況を評価し、次のように述べた。

 

「12月21日、イスラエル軍による空、陸、海からの激しい攻撃が、ガザ地区の大部分で続いた。南部のラファを除くガザ地区のほとんどの地域で、イスラエル軍とパレスチナ武装勢力との激しい地上作戦と戦闘が続いた。またパレスチナ武装勢力によるイスラエルへのロケット弾攻撃も続いている」

 

ガザ地区の保健当局は12月22日、これまでの戦闘で2万57人の死者を記録したと発表した。もっともこの死者数には、民間人とともに戦闘員の数も含まれているが、保健当局は死者の約3分の2が女性または未成年者だったと報告している。

 

カナダ移民局のマーク・ミラー大臣は12月21日、カナダ人の親族がいるガザ地区のパレスチナ人に、一時ビザを発給すると発表した。(了)

 

出典元:The Guardian:Israel-Gaza war live: Ceasefire decision ‘unjustifiable’, says International Rescue Committee(12/22)

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