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イスラエル政府の閣僚らが、ガザ地区からパレスチナ人を追放する極右集会に参加

イスラエル政府の閣僚らが、ガザ地区からパレスチナ人を追放する極右集会に参加
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1月28日、イスラエルでは閣僚らが、ガザ地区に住むパレスチナ人の他の地域への「自発的移住(事実上の追放)」を求める集会に参加した。

 

11名の閣僚と15名の国会議員が出席

 

この集会は「イスラエルの勝利会議:定住が安全をもたらす」と呼ばれ、28日にエルサレムで開催されたという。

 

ここにはネタニヤフ連立政権の国家安全保障大臣、イタマール・ベン・グヴィル(Itamar Ben-Gvir)氏や、財務大臣のベザレル・スモトリヒ(Bezalel Smotrich)氏など、11名の閣僚と15名の極右国会議員、そして約1000名の支持者などが出席したそうだ。

 

ベン・グヴィル氏とスモトリヒ氏はともに演説で、ガザ地区とヨルダン川西岸北部にユダヤ人の入植地を再建するよう求めたという。さらにベン・グヴィル氏は次のように演説した。

 

「私たちは(パレスチナ人に対し)自発的な移住を奨励しなければなりません。彼らを去らせましょう。10月7日へと導いた間違いを正すことの一部は、私たちがグシュ・カティフ(ガザ南部)とサマリア(ヨルダン川西岸)北部の故郷に戻ることです。私たちは家に戻らなければなりません、それが律法であり、道徳であり、歴史的正義であり、論理であり、それが正しいことだからです」

 

「オスロ合意」を批判

 

またスモトリヒ氏は演説で、1990年代に締結されたパレスチナ人との和平プロセス「オスロ合意」について言及。次のように述べた。

 

「私は中学2年生のとき、オスロ合意の恐ろしい愚かさに反対し、酷い目にあいました。私たちは声が枯れるまで『彼ら(パレスチナ人)に銃を与えるな』と叫びましたが、彼ら(当時の政権)は、私たちの言うことを聞きませんでした」

 

会議の参加者の中には銃を所持した者もおり、会場の外では「ガザはイスラエルの土地の一部である」と書かれたTシャツを販売する業者もいたという。

 

また会議で講演した1人は、禁止されている極右テロ組織「ユダヤ地下組織(Jewish Underground)」の元リーダー、ラビ・ウジ・シャーバッグ(Rabbi Uzi Sharbag)氏だったそうだ。

 

国内や海外からも批判

 

しかしこの会議には、海外やイスラエル国内からも、批判の声が寄せられた。イスラエルの野党指導者であるヤイル・ラピド氏は、ネタニヤフ連立政権が「新たな最低水準に達した」とし、次のように批判した。

 

「これは国際的な損害をもたらし、潜在的な交渉を台無しにし、兵士を危険にさらし、責任の重大な欠如を反映している」

 

またアメリカの政府高官も、イスラエル日刊紙「Yedioth Ahronoth」に対し、「ガザへのユダヤ人の入植再開を求める急進右派の会議は、単純に不快だ」とし、ネタニヤフ首相が「実際に(政権の)ハンドルを握っているのかという疑問が生じます」と述べた。

 

さらにフランスの外務省も、この会議を非難。 同省報道官は「イスラエル当局が、こうした立場を明確に非難することを期待している」と述べた。

 

75年に及ぶイスラエルの歴史の中で、最右翼とされるネタニヤフ政権は、2022年末の政権発足以来、占領下のヨルダン川西岸での入植地拡大を優先事項としてきたという。(了)

 

出典元:The Guardian:Israeli ministers attend conference calling for ‘voluntary migration’ of Palestinians(1/29)

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