イスラエル政府内で、イランへの報復攻撃について意見が分かれる
4月13日、イランがイスラエルに対し大量のミサイルやドローンを使った攻撃を行ったが、イスラエル政府内では、今後の対応について、意見が分かれているという。
99%の迎撃に成功
イランは13日、イスラエルの領土に向け、150機以上のドローンと、30発以上の地上巡航ミサイル、そして弾道ミサイル100発を発射したと見られている。
しかしイスラエルによると、これらのミサイルやドローンの99%は迎撃に成功しており、弾道ミサイルのほぼすべてが、「アローミサイル防衛システム」によって撃墜されたという。
またこの迎撃には、東地中海に展開していたアメリカ軍の艦船、4隻から10隻も参加したそうだ。
国防大臣は報復には反対
イスラエルのメディアによれば、ネタニヤフ首相が率いる戦時内閣は、現在イランへの報復を望んでいるが、時期と規模について意見が分かれているという。
「タイムズ・オブ・イスラエル」紙の報道では、4月14日に戦時内閣の5人が会合を開き、ベニー・ガンツ前国防相と、内閣のオブザーバーであるガディ・アイゼンコット氏が、イランへの報復を示唆したそうだ。
しかしヨアブ・ガラント国防相とヘルジ・ハレヴィ陸軍司令官らは、この案に反対しており、結局14日の夜には、イスラエル軍の首席報道官であるダニエル・ハガリ氏が「過去数時間で、我々は攻撃行動と防御行動の両方の作戦計画を承認した」と述べるにとどまった。
米「報復攻撃には参加しない」
アメリカ政府は、イスラエルによるイランへの報復攻撃には賛成しておらず、バイデン大統領も14日早朝に、ネタニヤフ首相へ電話をした際、アメリカはイランの領土に対する報復攻撃には参加しないと明言した。
あるアメリカ政府高官も、「我々の目的は、地域の緊張を緩和することだ。私たちは、より広範な地域紛争を望んでいない。私たちは、この危機を封じ込めることに重点を置いている」と述べている。
またアメリカ軍の関係者も「イスラエルは、イランとの重大なエスカレーションを望んでいないことを、我々に明確にしている。彼らが求めているのは、自分自身を守ることだ」と述べたという。
イスラエルは今回、アメリカやイギリス、ヨルダンなどの支援を得て、ミサイルなどの迎撃に成功したと言われている。(了)
出典元:Al Jazeera:Israel’s war on Gaza live: UN chief says Middle East ‘on the brink’(4/14)
出典元:The Guardian:Israel on high alert as it weighs response to Iranian attack(4/14)