ジョージアの野党議員が、「外国の代理人」法案を巡り、与党議員を殴る【動画】
ロシアの隣国であるジョージアで、「外国の代理人」に関する法案が物議を醸しており、野党の国会議員が演説をしていた与党議員を殴る出来事が起きた。
スパイを意味する「外国の代理人」
ジョージアの国会では、与党の「ジョージアの夢(Georgian Dream Party)」が、外国のスパイを意味する「外国の代理人(エージェント)」の法案を推進しようとしており、物議を醸している。
ジョージア国内では、この法案を巡って抗議デモも起きており、議会でも与党と野党の間で、激しい論戦が繰り広げられているという。
そんな中、4月15日には、野党のAleko Elisashvili議員が、この法案を推進していた与党のMamuka Mdinaradze議員を、演説中に殴ったそうだ。
この様子はテレビでも放映され、さらにその後、他の議員の間でも乱闘が繰り広げられたという。
🇬🇪 Clash in #Georgian parliament during debate on “Foreign Agent” law.
During the discussion of the controversial “Foreign Agent” law in the Georgian parliament, an incident occurred in which Aleko Elisashvili, also a member of parliament, attacked a pro-Russian MP. pic.twitter.com/k1FZxKn5A2— OSINT Expert (@OsintExperts) April 15, 2024
「ロシア法」とまで言われている
ジョージアの「外国の代理人」に関する法案は、海外から資金を受け入れる組織に「外国の代理人」として登録することを義務付けるもので、登録しなければ罰金が科されるという。
批評家らはこの法案を「ロシア法」と名付け、ロシア政府が国内の反対派を弾圧するために利用した、同様の法律と比較している。
実際、ロシアでは、政権の意向に沿わない個人や団体が次々と「外国の代理人」として指定され、厳しい言論統制が敷かれている、
そして与党の「ジョージアの夢」は、ロシアとの関係を深めようとしており、国内では権威主義的だと批判されているそうだ。
西側諸国は法案に反対
一方で、与党の「ジョージアの夢」は、EUとNATOに加盟することも望んでいる。
ただしEUやアメリカなどは、この法案の可決に反対しており、特にEUは「この動きはEUの価値観と相容れない」と述べたという。
このためジョージアのIrakli Kobakhidze首相は4月15日、EUやイギリス、アメリカの大使らと会談し、法案について話し合ったそうだ。
ちなみに、与党の議員を殴ったElisashvili議員は、議事堂の外でデモ参加者らから、歓声を浴びたと言われている。(了)
出典元:The Guardian:Georgian MP punches opponent in face in brawl over ‘foreign agents’ bill(4/15)