米政府がイスラエルへ警告、ラファへの攻撃を強化すれば多くの武器供与を停止
アメリカ国務省は、イスラエルがガザ地区南部のラファへの攻撃を強化するならば、さらに武器供与を停止すると明らかにした。
さらに武器供与を停止する可能性
現在、アメリカ政府はガザ地区での民間人の死傷者数への懸念から、イスラエルへ2000ポンド(907kg)および500ポンド(227kg)の大型爆弾、3500発の輸出を一時的に停止している。
そしてアントニー・ブリンケン国務長官は5月12日、CBSのインタビューにおいて、イスラエル軍がガザ地区南部ラファへの地上攻撃を強化すれば、さらに多くの兵器の供与も停止する可能性があると述べた。
またブリンケン国務長官は、イスラエルがこれ以上、ガザ地区の占領を続ければ、混乱と無政府状態、空白が生じることを懸念しているとし、その空白は最終的に再び「ハマス」によって埋められる可能性が高いとの見方を示した。
国連事務総長が「停戦」を呼びかけ
ガザ地区では昨年の10月以来、パレスチナ人の死者がすでに3万5000人を超えており、国連のアントニオ・グテーレス事務総長も5月12日、改めて「人道的即時停戦」を呼びかけた。
さらにグテーレス事務総長は、「停戦は始まりに過ぎない」とし、「この戦争の惨状とトラウマから立ち直るのは、長い道のりになるだろう」とも述べたという。
最大の難民キャンプに戦車が侵入
そんな中、ガザ地区ではイスラエル軍が、北部や南部のラファへも攻撃を続けており、多くのパレスチナ人が殺害された。
パレスチナの通信社「Wafa」によれば、イスラエル軍はガザ地区北部の町、Beit Lahiyaで「絨毯爆撃」を行い、カマル・アドワン病院には少なくとも12人の遺体が運ばれたという。
また同じく北部にあるジャバリア難民キャンプにも、イスラエル軍の戦車が深く侵入し、そこに住む数千人のパレスチナ人が避難を余儀なくされたそうだ。
ジャバリア難民キャンプはガザ地区にある8つの難民キャンプの中で最大で、10万人以上が住んでおり、数カ月前にイスラエル軍は、この地域にいる「ハマス」を解体したと宣言していた。
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エジプトがICJの提訴に参加
エジプト政府は12日、南アフリカによる国際司法裁判所(ICJ)への提訴に、正式に参加すると明らかにした。
南アフリカ政府は、イスラエルのガザ地区での行為が、「ジェノサイド条約」に違反しているとして、国際司法裁判所に提訴していた。
エジプト外務省は12日、パレスチナの民間人に対するイスラエルの攻撃が激化しているため、エジプト政府もこの訴訟に参加する意向であると発表した。(了)
出典元:Al Jazeera:Egypt says it will join South Africa’s genocide case against Israel at ICJ(5/12)
出典元:The Guardian:US threatens to block more arms sales if Israeli assault on Rafah goes ahead(5/12)