ウクライナで155人の中国人がロシア軍のために戦闘に参加、中国政府は見て見ぬふりか?

ウクライナのゼレンスキー大統領は、戦場で数多くの中国人がロシア軍のために戦闘に参加しているとの見方を示した。
中国政府は認識しているはず
ゼレンスキー大統領は4月9日、記者会見において、少なくとも155人の中国人がロシアのために戦っていることを認識していると述べた。
また大統領は、中国政府がロシアのために戦っている人々に対し、「何らかの指示を与えた」とは理解していないとしつつも、中国政府は、一部の国民が報酬を得て他国の軍隊に入隊していることを認識していたはずだと指摘。次のように述べた。
「我々は、彼ら(中国)がそれを知っていたことを記録している。我々は、これらの中国国民がウクライナ領内で、ウクライナ人に対して武器を使用し、戦っていることを記録している。彼らの動機、金銭目的かどうか、政治的な理由など、私にはまだ分からない。しかし、いずれ明らかになるだろう」
The first two captured Chinese citizens. Today, investigators from the Security Service of Ukraine spoke with them. We are working to establish all the facts regarding the involvement of these and other Chinese citizens being part of the Russian occupation army. Ukrainian… pic.twitter.com/PkBpBjI2Qm
— Volodymyr Zelenskyy / Володимир Зеленський (@ZelenskyyUa) April 9, 2025
「中国人の戦闘員はもっと多い」
ウクライナの情報機関によって提示された記録には、19歳から45歳までの中国人戦闘員、13名の写真とパスポート情報が記載されていたという。
またもう1つの記録には、氏名や生年月日、所属したロシア軍の部隊、そして一部には入隊場所の情報も記載されていたそうだ。
ゼレンスキー大統領は「氏名とパスポート情報だけで、155人が判明しており、つまり155人の中国人がウクライナ領内でウクライナ軍と戦っている」と指摘。「実際にはもっと、はるかに多い人数がいると我々は考えている」と述べている。
一方、中国外務省の報道官は、「中国政府は常に中国国民に対し、紛争地域への立ち入りを控え、いかなる形態の武力紛争にも関与せず、特にいかなる勢力の軍事作戦にも参加しないよう求めている」と発言。相当数の中国人がこの戦争に関与しているという考えは「全く根拠がない」と主張した。
ロシアがSNSで戦闘員を募集
ゼレンスキー大統領によれば、ロシア側はTikTokなどのSNSに公然と広告を掲載し、中国人戦闘員の募集を試みており、「中国政府もこれを認識している」という。
そして応募した者は通常、首都のモスクワへ渡り、そこで3~4日間の健康診断を受け、新兵はその後1~2ヶ月の訓練を受けた後、ウクライナでの戦闘に参加するよう求められるそうだ。
また中国国籍の戦闘員は、ロシア政府から正式な出入国カードを受け取り、決済システムを利用して報酬を受け取っているという。(了)
出典元:The Guardian:China turning blind eye to its citizens fighting in Ukraine, says Zelenskyy(4/9)