トランプ政権が公共放送への資金提供停止を命令、メディアは反発

トランプ政権は、アメリカの公共ラジオ「NPR」と、公共テレビ放送「PBS」に対する資金を停止するよう命じ、それらを監督する非営利団体が反発している。
「左翼プロパガンダを煽ってきた」
トランプ大統領は5月1日、大統領専用機に乗ってフロリダに向かう途中、公共放送機構(CPB)に対し、「NPRとPBSへの資金提供を停止する」よう指示する大統領令に署名した。
トランプ氏は、自らに批判的なメディアを「偏向報道」だと敵視し、圧力を強めており、また自身の考えに沿わない公的機関の人員解雇や縮小も命じてきた。
またホワイトハウスも、「NPR」や「PBS」は共和党への批判的な報道が多い一方で、民主党には肯定的な姿勢が目立つと指摘。
両報道機関が「納税者のお金で党派主義と、左翼プロパガンダを煽ってきた」と主張した。
資金は大統領ではなく議会が管理
「NPR」と「PBS」は公共放送機構(CPB)を通じて、年間数千万ドルの政府予算を受け取ってきたと言われている。
また「PBS」によれば、公共放送全体の予算のうち約15%は政府からの資金で、残りは視聴者からの寄付などで賄っているという。
今回の大統領令を受け、公共放送機構(CPB)側は反発し、資金は大統領ではなく議会が管理していると指摘。CPBの社長兼CEOであるパトリシア・ハリソン氏は5月2日の声明で、次のように述べた。
「議会は、CPB が連邦政府から完全に独立した民間の非営利法人となることを直接認可し、資金を提供しました。CPBを創設するにあたり、議会は『アメリカ政府のいかなる省庁や機関、役員、または職員も、教育テレビやラジオ放送、またはCPB、その助成金受給者や請負業者に対して、いかなる指示や監督、または管理を行うこと』を明確に禁じています」(了)
出典元:ABC News:CPB fires back at Trump’s executive order pulling funding for NPR, PBS(5/3)