Switch news

知っておきたい世界のニュース

米・ニュージャージー州の市長が、移民関税執行局に逮捕される

米・ニュージャージー州の市長が、移民関税執行局に逮捕される
X_Brian Krassenstein

ニュージャージー州・ニューアーク市の市長が、移民関税執行局(ICE)の職員に逮捕され、波紋が広がっている。

 

収容施設に入ることを許可されず

 

ニューアーク市のラス・バラカ市長(民主党)は5月9日、ニュージャージー州選出の民主党下院議員3人と、デラニー・ホール移民収容施設を視察するため訪問していたという。

 

当時、民主党下院議員のボニー・ワトソン・コールマン氏とラモニカ・マクアイバー氏、ロバート・メネンデス・ジュニア氏は収容施設の敷地内に入ることを許可されていたが、バラカ市長だけは許可されず、敷地の外に出るよう指示されたそうだ。

 

バラカ市長らは、監督権限を行使し、自らの目で拘束された移民の収容施設を確認しようとしていたため、国土安全保障省捜査局(DHS)からの退去要請を拒否。その結果、バラカ市長は移民関税執行局の職員に逮捕された。

 

市長や議員まで乱暴に扱う

 

ニュージャージー地区の暫定連邦検事、Alina Habba氏(トランプ政権側)は5月9日の午後、FOXニュースの電話インタビューで「バラカ市長は施設内にいて、逮捕されると何度も警告されていたにもかかわらず、立ち去ることを拒否した」と主張。

 

またSNSにおいても「本日(9日)午後、(バラカ市長は)ニュージャージー州ニューアーク市のICE拘留センターで不法侵入を犯し、国土安全保障省捜査局(DHS)からの退去を求める複数回の警告を無視し、拘束された」と投稿した。

 

しかしバラカ市長に同行していたワトソン・コールマン下院議員らは、9日の夜、収容施設の外で記者団に対し、次のように語った。

 

「彼ら(移民関税執行局の職員)は施設から公共の敷地へ行き、市長を逮捕しました。理由は誰にも説明されていません。彼らはただ市長をひったくって連れ去りました。私たちは『なぜ市長を閉じ込めているのか』と問い詰めようとしました。すると彼らは私たちまで、かなり乱暴に扱い始めました」

 

ロバート・メネンデス・ジュニア下院議員は「これは明らかに市長だけでなく、私たち3人、そして今日見ている全員を威嚇する意図があった」と述べたそうだ。

 

またマクアイバー氏は、記者団に対し「私たちは戦い続ける。私たちは戦いを止めず、何千人ものニュージャージー州民が私たちに与えてくれた職務を遂行することを止めるつもりはない。私たちはただ職務を遂行しただけであり、政治とは一切関係ない」と述べた。

 

ニュージャージー州知事も釈放を要求

 

このデラニー・ホール移民収容施設は、移民税関執行局(ICE)が契約を結んでいる民間運営の施設であり、ニューアーク市はこの収容施設が適切な安全手順なしに開設されたと主張していたという。

 

そしてニュージャージー州のフィル・マーフィー知事も9日午後の声明で、バラカ市長の逮捕を批判。「バラカ市長は、常に最も弱い立場にある隣人のために立ち上がってきた、模範的な公務員です。私は連邦法執行機関に彼の即時釈放を求めます」と要求した。

 

その後、バラカ市長は釈放され、支持者たちに迎えられたという。

 

トランプ政権は、移民関税執行局を使い、強引に移民らを拘束し、海外へ強制送還しており、最高裁の判決にも耳を貸さず、この政策に反対する者も厳しく非難している。(了)

 

出典元:ABC News:Newark mayor arrested at ICE facility while joining Democrats to conduct ‘oversight’(5/10)

記事が気に入ったら
Switch Newsをフォローしよう!


Return Top