カタール王室がトランプ氏にジャンボ・ジェット機をプレゼント、物議を醸す

現在、中東を歴訪中のトランプ大統領が、カタール王室から高額の贈り物を受け取ったとして、批判を浴びている。
「ボーイング747-8」の受け取り準備
トランプ政権は現在、カタール王室から、超高級ジャンボ・ジェット機「ボーイング747-8」の受領準備を進めているという。
この飛行機は豪華絢爛で「空飛ぶ宮殿」とも呼ばれており、トランプ氏が退任直前まで新しい大統領専用機として使用し、退任後は所有権が「トランプ大統領図書館財団」に移管されるそうだ。
トランプ氏自身も5月11日、SNSへの投稿でこの事実を認めており、この贈与を「国防総省との間の、非常にオープンで透明性の高い取引だ」と主張。
しかしこのプレゼントを大統領が受け取ることが、合法なのかどうか、疑問の声が上がっている。
憲法には受け取りを禁止する条項も
実はアメリカの憲法では、贈収賄の禁止や、アメリカの政府職員が「国王、王子、または外国」からの贈り物を受け取ることを禁じる条項もあるという。
しかしホワイトハウスの法律顧問事務所と司法省の弁護士らは、国防総省が航空機を贈与として受け取り、後に「トランプ図書館財団」に引き渡すことは「合法」だとの見解を示した。
またホワイトハウスのリービット報道官も声明で、「外国政府からの贈り物は、適用されるすべての法律を完全に遵守した上で、常に受け入れられる」と述べたそうだ。
この航空機の価値は約4億ドル(約580億円)と推定されており、その後大統領専用機の仕様を満たすように改修され、「トランプ図書館財団」に移管される費用は、アメリカ空軍が負担するという。
民主党のチャック・シューマー上院議員はSNSで、「カタールが運んできたエアフォースワンほど『アメリカ第一主義』を体現するものはない。これは単なる賄賂どころではない」と投稿。
またカリフォルニア州選出のアダム・シフ上院議員(民主党)も、憲法の禁止条項を引用し、「この腐敗は恥知らずだ」と批判した。
さらにABCニュースの「X」の投稿にも、ユーザーから「これは明白な汚職であり、弾劾に値する犯罪だ」や「憲法は完全に明確にしている。議会の許可なしに外国から『いかなる種類の贈り物』も受け取ることはできません。これはトランプ関税による違法行為だ」といったコメントが多数寄せられている。(了)
出典元:ABC News:Trump administration poised to accept ‘palace in the sky’ as a gift for Trump from Qatar: Sources(5/12)