トランプ政権、ハーバード大学への留学生の入学を禁止

トランプ政権は5月22日、ハーバード大学に対し、外国人留学生の入学を禁止した。
ハーバード大学は違法と反発
トランプ政権のクリスティ・ノーム国土安全保障長官は22日、大学宛ての書簡で次のように述べた。
「関連情報提供を求める国土安全保障省の度重なる要請に応じず、ユダヤ人学生に敵対的で、親ハマス派の同情を助長し、人種差別的な『多様性、公平性、包摂性(DEI)』政策を採用する危険なキャンパス環境を維持してきたため、ハーバード大学はこの特権(留学生の入学)を失った」
これに対し、ハーバード大学側はトランプ政権の措置は、違法だと主張。22日の声明で、次のように述べた。
「政府の行動は違法です。ハーバード大学は、この国と大学に計り知れないほどの豊かさをもたらす、140カ国以上から迎えられた留学生と研究者を受け入れる能力を維持することに全力を尽くしています。私たちは、コミュニティのメンバーに迅速に指導と支援を提供するために取り組んでいます。この報復措置は、ハーバード大学のコミュニティと国に、深刻な損害を与える恐れがあり、ハーバード大学の学術研究の使命を損なうものです」
その上でハーバード大学は、学生に対し、この状況について注意喚起する声明を発表して、さらなる情報を待つよう勧告したという。
政府が大学に生徒の情報を要求
ノエム国土安全保障長官は4月、ハーバード大学に書簡を送り、大学が学生・交流訪問者プログラム(SEVP)の資格を維持できるよう、国土安全保障省に情報の一部を提供するよう要請したという。
国土安全保障省はハーバード大学に対し、学生ビザ保持者の不法行為や暴力行為の履歴、学生や教職員への脅迫、抗議活動への参加を理由に受けた懲戒処分、学生が学校の学習環境を妨害したかどうかに関する情報、そしてビザのステータスを維持するために学生が受講している授業に関する情報を提供するよう求めたそうだ。
しかしハーバード大学側は、学生の情報提供を拒否。これにより学生・交流訪問者プログラム(SEVP)の資格が剥奪され、今回の措置に至ったという。ノエム長官は、次のように主張した。
「学生・交流訪問者プログラムの認定が取り消されたということは、ハーバード大学が2025-2026年度にFまたはJの非移民ステータスを持つ外国人を受け入れることが禁止されることを意味します。また認定取り消しは、外国人が非移民ステータスを維持するためには、他の大学に転校しなければならないことを意味します」
ホワイトハウスのアビゲイル・ジャクソン報道官はABCニュースへの声明で、次のように述べている。
「ハーバード大学はかつて偉大だった大学を、反米、反ユダヤ主義、テロ支援の扇動者たちの温床に変えてしまった。アメリカ人学生に悪影響を与えている広範な問題に対処するための行動を繰り返し怠ってきたため、今こそ自らの行動の結果に直面しなければならない」(了)
※トランプ政権と大学との間の軋轢に関しては、NHKの記事も詳しく解説している。そちらもご覧いただきたい。
出典元:ABC News:Trump administration bars Harvard from enrolling international students(5/23)