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国連事務総長、配給所でイスラエル兵が人々を殺戮していることを非難

国連事務総長、配給所でイスラエル兵が人々を殺戮していることを非難
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「ガザ人道財団(GHF)」の配給所で、イスラエル兵によって多くのパレスチナ人が殺害されていることについて、国連のグテーレス事務総長が非難した。

 

国連事務総長、独立した調査を要求

 

イスラエル軍は6月2日も、「ガザ人道財団(GHF)」の食料配給所に向かうパレスチナ人に向けて発砲。少なくとも3人が殺害され、数十人が負傷した。

 

国連のグテーレス事務総長は、ガザ地区で援助を求めるパレスチナ人が死亡している報道に「愕然としている」と述べたという。

 

また事務総長は「パレスチナ人が食糧のために、命を危険にさらしていることは容認できない」とし、独立した調査を行うよう求めたそうだ。

 

イスラエル軍は、部隊に近づいた「容疑者」に対し警告射撃を行ったと主張している。

 

米大使が報道を「虚偽」だと非難

 

イスラエルにあるアメリカ大使館は6月2日、声明を発表し、ニューヨーク・タイムズやCNN、AP通信を名指しし、イスラエルとアメリカが支援するGHFの支援物資配給拠点でパレスチナ人が殺害されたという報道は「虚偽」であると主張した。

 

アメリカのマイク・ハッカビー大使は声明において、「ドローン映像と直接の証言は、負傷者も死亡者も、銃撃も、混乱もなかったことを明確に示している」と述べたという。

 

しかし6月1日に配給所の現場にいたパレスチナ人の男性は、AFP通信に対し、「群衆が1キロ離れたGHFの配給所に向かう時、日の出前に銃撃が始まった」と証言。さらに次のように語った。

 

「ロータリーには何千人もの人々が待っていました。しかし、イスラエル軍が発砲すると、皆逃げ出しました。恐怖と混乱が広がりました。私はその地域で死者や負傷者をこの目で見ました」

 

また同じく現場にいたモハメド・アブ・デッカさん(35)も、次のように語っている。

 

「最初は威嚇射撃だと思いました。しかし、間もなく銃撃は激化しました。血まみれで地面に倒れている人々が見え始めました。午前5時半頃のことです。人々は走り始めましたが、逃げ切れない人が多かったです。逃げようとしても、銃弾は人々を追いかけてきました」

 

「イスラエルが戦争犯罪を犯している」

 

そんな中、バイデン政権時にアメリカの国務省の報道官を務めたマシュー・ミラー氏が、イギリスの「スカイニュース」のインタビューに答え、以前とは真逆の発言を行った。

 

ミラー氏は当時、記者からの質問に対しても、イスラエルがガザ地区で戦争犯罪を犯しているとは決して答えず、アメリカによるイスラエル支援を正当化し続けてきた。

 

しかし6月2日のインタビューで、ミラー氏は「イスラエルがガザ地区で戦争犯罪を犯したことは、疑いようのない真実だ」と語った。

 

またミラー氏は「イスラエルが『意図的』に戦争犯罪を犯す政策を追求してきたかどうかは、未解決の問題だ」としつつも、「イスラエル兵や、イスラエル軍関係者が戦争犯罪を犯した個別の事件があったことは、ほぼ間違いないと考えている」とも述べたという。

 

 

このインタビューに対し、シンクタンク「国際政策センター」のマット・ダス副社長は、SNSに「バイデン政権はアメリカ国民を欺いた」と投稿し、次のように述べた。

 

「バイデン氏が、イスラエルへの武器供与を継続したかったため、彼らは国民と議会を欺いた。遅きに失したとはいえ、ミラー氏が今、声を上げてくれて嬉しい。彼の同僚たちの声を、もっと聞く必要がある。なぜなら彼らは全て、知っていたからだ」

 

アメリカの法律では、人権侵害を行っている国への武器供与を禁じているが、バイデン政権はイスラエルに対し、数十億ドル規模の軍事援助を行ったと言われている。

 

51人のパレスチナ人が死亡

 

ガザ地区では6月2日もイスラエル軍の激しい攻撃が行われ、特に北部にある住宅では、空爆により14人が死亡。犠牲者の中には6人の子供と、3人の女性が含まれていたという。

 

また依然として20人が行方不明となり、瓦礫の下に埋まっていると考えられている。

 

ガザ地区の保健当局は6月2日、過去24時間にイスラエル軍による全域への攻撃で、少なくとも51人のパレスチナ人が死亡、503人が負傷したと発表した。(了)

 

出典元:Aljazeera:LIVE: Israel kills dozens in Gaza as starving Palestinians die for aid(6/2)

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