トランプ大統領、億万長者のジョージ・ソロス氏を起訴すべきだと主張

アメリカのトランプ大統領は、SNSでジョージ・ソロス氏を起訴すべきだと投稿し、物議を醸している。
「RICO法で起訴されるべきだ」
トランプ氏は8月27日、SNSの「Truth Social」への投稿で、ソロス氏と息子が長年、民主党に寄付してきたとして、次のように投稿した。
「ジョージ・ソロス氏とその素晴らしい急進左派の息子は、アメリカ合衆国全土で暴力的な抗議活動などを支援してきたため、RICO法で起訴されるべきだ」
RICO法とは、ニクソン政権時に成立した組織犯罪対策法で、殺人や誘拐、詐欺などの組織犯罪を訴追するために用いられる法律のこと。
しかしトランプ氏は、ソロス氏や息子らが、この法律の何に違反したのか、またソロス氏の息子のうち、誰を起訴すべきかも明らかにしていない。
ただジョージ・ソロス氏と同じく、息子のアレックス・ソロス氏も、長年民主党の運動を支援してきたとされ、また彼はヒラリー・クリントン氏の長年の側近である、Huma Abedin氏と今年初めに結婚した。
敵の捜査を進め、報復を実行
トランプ政権はここ最近、様々な政敵や、敵と目される人物への捜査を進めており、報復を実行に移している。
例えばトランプ氏は以前から、2021年1月6日の議事堂襲撃事件を調査した「J6委員会」のメンバーを起訴せよ、と訴えてきた。
またトランプ政権は現在、トランプ氏が絡んだ2件の連邦刑事事件で捜査を指揮し、起訴してきたジャック・スミス元特別検察官の捜査を行っているという。
2つの事件のうち1つは、機密文書の不適切な保持を巡る事件で、もう1つは2020年の選挙結果を覆そうとした事件となる。
さらに8月22日には、FBIの捜査官が、元国家安全保障問題担当大統領補佐官で、トランプ氏を厳しく批判していたジョン・ボルトン氏の自宅を家宅捜索した。
司法省はまた、トランプ氏とそのビジネス関係者に対して大規模な民事詐欺訴訟を起こしたニューヨーク州司法長官、レティシア・ジェームズ氏についても捜査を開始したと報じられている。
ジェームズ氏は、トランプ氏が一族で運営する企業の純資産を偽るなどして、10年にわたって銀行から有利な条件で融資をだまし取ったと提訴。
2023年にはニューヨークの裁判所が、トランプ氏とその息子たちに法的責任があると判決を下し、多額の賠償金の支払いを命じた。
今回、トランプ氏が起訴を求めた件について、ジョージ・ソロス氏の「オープン・ソサエティ財団」は、「言語道断で虚偽だ」と非難。次のように述べた。
「オープン・ソサエティ財団は、暴力的な抗議活動を支援したり、資金提供したりすることはありません。私たちは、活気ある民主主義の象徴である言論の自由と平和的な抗議活動の権利を含め、憲法で保障された基本的自由を支持します」
ジョージ・W・ブッシュ元大統領のホワイトハウス倫理弁護士、リチャード・ペインター氏は以前、USAトゥデイ紙に対し、「勝者が敗者を刑務所に送り込み、訴追するという考えは、民主主義にとって極めて危険だ」と警告していた。(了)
出典元:USA TODAY:Trump says liberal donor George Soros and son should be criminally charged(8/27)