Sotheby’s

非常に珍しいピンク・ダイヤモンドが、香港のオークションで高額落札され、注目を集めている。

1カラットあたり最高価格

そのダイヤモンドとは、「ウィリアムソン・ピンクスター」だ。これは極めて珍しい11.15カラットのピンク・ダイヤモンドで作られており、エリザベス2世の結婚祝いに贈られた別のピンク・ダイヤモンドなどに因んで名付けられたという。

このダイヤは10月7日に、「サザビーズ香港」のオークションに出品され、予想価格の2倍以上となる4億5300万香港ドル（約84億円）で落札された。（※別のメディアは4990万ドル・約72億円で落札と報じている）

オークションで販売されたダイヤモンド中では、1カラットあたりの最高価格が付き、世界記録を更新したそうだ。

高額落札の背景には？

ロンドンのジュエリーショップ「77 Diamonds」のTobias Kormind氏は、このダイヤがイギリスの君主と関係があることが、その価値を高めることにつながったとした上で、次のように述べている。

「これは驚くべき結果で、不安定な経済状況の中で最高級ダイヤモンドの回復力（柔軟な強さ）を証明するものです。エリザベス女王との魅力的なつながり、希少性が増したことによるピンク・ダイヤモンドの価格上昇、そして不安定な世界経済という背景を考慮すると、このような結果になったのでしょう。世界最高品質のダイヤモンドの中には、過去10年間で価格が2倍になったものもあるのです」

この「ウィリアムソン・ピンクスター」は、2つのピンク・ダイヤモンドにちなんで名前が付けられたという。

1つは、2017年にオークションにおいて、7120万ドルで落札された59.60カラットの「ピンクスター・ダイヤモンド」、もう1つはカナダの地質学者のジョン・ソバーン・ウィリアムソンが1947年に女王に贈った23.60カラットの「ウィリアムソン・ストーン」だ。

しかも他にも、大型のピンク・ダイヤモンドが2つ存在すると言われている。

ピンク・ダイヤモンドはカラーダイヤモンドの中でも特に稀少で、地質学的にもどのようにしてピンク色になるのか、正確には分かっていないという。（了）

出典元：The Guardian：Rare ‘fancy vivid pink’ diamond sells for £52m in Hong Kong auction(10/7)