極右活動家のチャーリー・カーク氏の、過激すぎる過去の発言とは?

アメリカのトランプ大統領の盟友で、極右インフルエンサーのチャーリー・カーク氏(31)が、9月10日に銃撃され、殺害された。
人種差別的・性差別的な内容を発現
カーク氏はこれまで、自身のポッドキャストや、特に大学のディベートで学生たちと交流しながら、扇動的でしばしば人種差別的・性差別的な発言を大勢の聴衆に向けて発信してきた。
しかも彼は、トランプ氏とMAGA運動に同調する世界観を擁護し、偏見や不寛容、排斥的な言動をためらうことなく、続けてきたという。
カーク氏は、これまでどんな発言をし、どんな考えを広めようとしてきたのだろうか?
公民権法について
2023年12月、カーク氏が創設した団体「Turning Points USA」が主催した政治会議で、彼は公民権運動の指導者マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師を「ひどい」「良い人ではない」と非難したという。
また、人種や肌の色、宗教、性別、国籍に基づく差別を違法とし、人種隔離を禁じた1965年の公民権法についても批判し、「1960年代に公民権法を可決したことは、大きな間違いだった」と述べた。
さらに黒人は奴隷制の時代の方が、幸せだったとまで主張していた。
中絶について
2024年、カーク氏はSNS番組「Surrounded」で、25人のリベラルな大学生と討論し、中絶は殺人であり、レイプされた場合も含め、中絶は違法であるべきだと述べた。
この討論で、女子大学生はカーク氏に対し「もし、誰かが自分の10歳の娘をレイプし(て妊娠し)たら、その子供を産んでほしいと思いますか?」と尋ねた。
するとカーク氏は「答えはイエスです。赤ちゃんは出産されることになるでしょう」と答えたという。
またカーク氏は、そのような状況で中絶を行うことは、悪に迎合することだと主張したという。
テイラー・スウィフトに保守的になるよう望む
ポップスターのテイラー・スウィフトさんとNFL選手のトラヴィス・ケルシー氏が8月26日に婚約を発表した際、カーク氏はポッドキャストでこの件について語り、スウィフトさんが子供をたくさん出産すること、そして彼女が保守的になるよう望み、次のように述べた。
「フェミニズムは拒否し、夫に従いなさい、テイラー。あなたは主導権を握ってはいない」
しかしカーク氏の発言は、スウィフトさんのファンから強い反発を招き、SNS上で「女性蔑視的な暴言」だとの声が上がったという。
ガザ地区について
カーク氏は7月28日、「X」に動画を投稿し、「イスラエルはガザ地区の人々を飢えさせてはいない」と発言した。
この発言により、カーク氏はイスラエルのネタニヤフ首相と会談し、自国への招待を受けたという。またネタニヤフ首相はカーク氏について、「彼のアメリカへの限りない誇りと、言論の自由に対する勇敢な信念は、永遠に残る影響を与えるでしょう」と述べたそうだ。
しかしガザ地区での飢餓については、国連や数多くの人権団体、そして多くの国々も認めており、一部の国は人道支援物資の空中投下まで行っている。
銃規制について
カーク氏は2023年4月5日、銃乱射事件などの犯罪についても、次のような見解を示した。
「残念ながら、毎年銃による死者が出ているとしても、その代償を払う価値があると思う。そうすれば、憲法修正第2条によって、神から与えられた他の権利を守ることができる。これは賢明な取引であり、合理的だ」
イスラム教や宗教について
カーク氏はイスラム教について2024年3月1日、次のように述べた。
「もちろん、アメリカには信教の自由がありますが、私たちは率直になるべきです。イスラム教徒のための広大なエリアは、アメリカにとって脅威です」
また2025年4月30日には「イスラム教は西洋文明と相容れないと主張」。2025年6月24日には「イスラム教は、左派がアメリカの喉を切り裂くために使っている剣だ」と述べた。
2025年9月8日には政教分離について問われ、「政教分離など存在しません。それは作り話であり、虚構であり、憲法にも記載されていません。世俗的なヒューマニストによって作り上げられたものです」とも主張したという。
「大置き換え戦略」を信じる
さらにカーク氏は、米国内のエリート層が白人を弱体化させるために大量移民を奨励していると主張し、南部の白人中心の田舎町を全く異なるものに置き換える戦略、いわゆる「大置き換え戦略(Great Replacement Strategy)」を信じていたという。
出典元:The Guardian:Charlie Kirk in his own words: ‘prowling Blacks’ and ‘the great replacement strategy’(9/11)
出典元:CBC:Some of Charlie Kirk’s most controversial takes(9/12)