トランプ大統領がポートランドに州兵の派遣命令、オレゴン州が提訴

アメリカのトランプ大統領は9月27日、移民収容施設での抗議活動を鎮圧するために、オレゴン州への州兵派遣を承認した。
移民・関税執行局への抗議活動に対処
ピート・ヘグセス国防長官が9月28日に通知した覚書によると、連邦政府の建物などを守るため、少なくとも200人の州兵がオレゴン州のポートランドへ派遣されるという。
州兵らは約2カ月間、ポートランドに配置される予定で、移民・関税執行局(ICE)の収容施設を警護する予定となっている。
トランプ大統領はSNSの「Truth Social」において、ポートランド市を「戦争で荒廃した」と表現し、「アンティファやその他の国内テロリストによる攻撃から、包囲されているICEの施設を守るのに役立つ」と投稿した。
州兵派遣は「違法」だとして提訴
ポートランドの移民・関税執行局(ICE)の施設周辺では、今年の6月初旬から抗議活動が行われ、時には暴力的な衝突に発展しているという。
9月8日時点で、アメリカ連邦検事局は放火や警察官への暴行、逮捕に抵抗したなどの罪で、26人を連邦法に基づいて訴追しているそうだ。
Breaking — Federal police make an arrest outside the ICE facility in Portland.
The Antifa subject resisted arrest, prompting several federal agents tackling the subject to the ground to take the individual into custody. pic.twitter.com/4klPaGg07r
— Katie Daviscourt 📸 (@KatieDaviscourt) September 28, 2025
しかしオレゴン州の民主党議員たちは、ポートランドに連邦政府の介入が必要だとするトランプ大統領の主張を否定し、反発。
オレゴン州のティナ・コテック知事も9月27日、「ポートランドには国家安全保障上の脅威はない。私たちのコミュニティは安全で穏やかだ」と述べたという。
翌28日、オレゴン州は、ポートランドへの州兵派遣は「違法」だとして、トランプ政権を提訴した。
オレゴン州は民主党支持者が多く、コテック知事も民主党であり、今回のトランプ政権の州兵派兵は、同じく民主党が強いカリフォルニア州などに続く措置となる。
国土安全保障省は9月26日、デモ参加者がポートランドのICEのセンターを「繰り返し攻撃し、包囲した」と発表。また抗議団体「ローズシティ・アンティファ」が、ICE職員の個人情報を違法に取得し、自宅の住所をネットと公共のチラシで公開したと主張した。
しかし「ローズシティ・アンティファ」側は、チラシの配布には関与していないと否定している。(了)
出典元:BBC:Oregon sues Trump administration over plans to deploy troops(9/28)