米主要メディア、国防総省の取材規制を拒否、誓約書に署名せず

アメリカの主要メディアは10月13日、国防総省が以前、提示していた取材規制に関する指針を拒否すると明らかにした。
国防総省のヘグセス長官による指針
国防総省のヘグセス長官は先月、報道機関に対し、許可されていない資料を入手しないことを誓約させ、従わない場合、当局者の同伴がない限り、特定の取材エリアへの入場を制限する指針を発表した。
そしてメディア側は、10月14日の午後5時(現地時間)までに誓約書に署名するか、または24時間以内に記者証を提出するよう求められたという。
しかしワシントン・ポスト紙は10月13日、ニューヨーク・タイムズ紙やCNN、アトランティック紙、ガーディアン紙、ブレイキング・ディフェンス紙に続き、この誓約書には署名しないと表明した。
「報道機関はもはや自由に動き回れない」
ワシントン・ポスト紙のマット・マレー編集長は、この方針は憲法で保障されている報道の自由に反するとし、次のように「X」に投稿した。
「提案された制限は、情報の収集と公表に不必要な制約を課すことで、憲法修正第1条の保護を損なうものだ。我々は引き続き、国防総省と政府当局者の政策と立場について、積極的かつ公正に報道していく」
ニューヨーク・タイムズ紙も声明で、「この新たな方針は、年間約1兆ドルの税金で賄われているアメリカ軍について、ジャーナリストが報道する方法を制限するものだ。国民は、政府と軍がどのように活動しているかを知る権利がある」と述べた。
これに対してヘグセス国防長官は、SNSに「手を振って別れを告げる絵文字」を投稿。
— Pete Hegseth (@PeteHegseth) October 13, 2025
また「X」において、次のようなリストを投稿した。
「報道機関の認証に関する初心者向けリスト:報道機関はもはや自由に動き回れない。報道機関は目立つバッジを着用しなければならない。認証を受けた報道機関は、もはや犯罪行為を扇動することは許されない」
今回、署名を拒否したのは、主にリベラルのメディアだが、一部の右派メディア、例えば「ニュースマックス」もこの文書への署名を拒否している。
ヘグセス長官は以前、一般アプリのチャットに空爆計画を投稿したことが報じられ、更迭説も浮上。また性的暴力疑惑が浮上して批判されたこともあり、今回の方針は、ヘグセス長官による、メディアへの復讐だという見方が広がっているという。(了)
出典元:The Guardian:US news outlets refuse to sign new Pentagon rules to report only official information(10/13)