イスラエルの野党、政府が提案した調査委員会を批判、法案の紙を破く

イスラエルの国会(クネセト)で、ネタニヤフ政権が提出した法案が可決し、野党が猛反発した。
委員を与野党の議員で決める
イスラエルの国会では12月24日、2023年10月7日の事件に関する調査委員会の設置について、ネタニヤフ政権が提出した法案の予備採決が行われた。
この法案では、調査委員会の委員を最高裁判所長官が任命するのではなく、与野党の議員で決める内容となっている。
そして予備採決では、賛成53、反対48で法案が可決され、野党議員は「恥を知れ」と叫び、議場で法案を破り捨てる人もいたそうだ。その様子がこちら。
Israeli opposition lawmakers were seen tearing up a draft bill that would pave the way for the establishment of a political commission to investigate the October 7 Hamas-led attacks, rather than the independent inquiry demanded by captives’ families. pic.twitter.com/wfKLOMB6qM
— Al Jazeera English (@AJEnglish) December 25, 2025
通常の手続きとは異なる
2023年10月7日に「ハマス」によるテロ攻撃が起きて2年が経つが、まだ国による調査委員会は設置されておらず、軍のみが内部調査を実施している。
またテロの犠牲者の遺族は、ネタニヤフ政権と治安当局の誰が「ハマス」による攻撃を許したのかを追及するため、政府の監督による調査委員会ではなく、独立した委員会の設立を求めてきた。
今回、可決された法案では、「自律的かつ透明性のある」調査を行うための調査委員会に「広範な権限を与える」としており、その範囲は政府が定めることになるという。
また委員会は「6人または7人」で構成され、与党連合と野党の合意に基づき、国会の120議員のうち、少なくとも80議員の承認を得る必要がある。
しかし通常、イスラエルの法律では、このような委員は最高裁判所長官によって任命されており、これまでの手続きとは異なっている。
ネタニヤフ政権は、最高裁判所長官が偏見と敵対心を持っていると非難し、任命手続きを長官に委ねることを拒否してきた。
野党党首のYair Lapid氏は法案可決後、提案された委員会の目的が「ネタニヤフ首相の責任逃れを助けることだ」と非難した。
この法案は今後、更なる審議と最終採決を経て成立することになる。(了)
出典元:Ahram:Israeli opposition protests parliament vote on October 7 probe(12/24)

























