イスラエルによって差し押さえられていたパレスチナ人への手紙、8年ぶりに配達されることに
パレスチナ人に届けられるはずだった郵便物を、イスラエルが8年間も保管し、引き渡していなかったことが明らかにされた。
郵便物がパレスチナ側に引き渡される
その郵便物とは2010年にヨルダンで回収されたもので、その後ヨルダン川西岸やガザ地区に住むパレスチナ人に届けられるはずのものだったという。
しかしイスラエル側はヨルダン国境を経由して運ばれた郵便物を、安全上の理由によりコントロールしており、長い間差し押さえていたそうだ。
そして14日、イスラエル当局は8年ぶりに、それらの郵便物をパレスチナ側へ引き渡すことになった。
手紙や小包などその量は10t以上
今回、パレスチナ側に引き渡された郵便物には、手紙や小包も含まれており、その量はなんと10t以上にも及ぶという。しかも中にはひどく損傷しているものもあったそうだ。
そしてヨルダン川西岸にあるJerichoという町の中央国際為替郵便局では、現在急いで仕分け作業を行っているが、あまりにも膨大な量のため、配達までには2週間はかかる見通しだとしている。
Israel has finally released around 10 tons of mail destined for the West Bank. Some of the mail is 8 years old.
実は2016年に調印された覚書では、ヨルダン川西岸地区への国際郵便は、イスラエルの郵便局を通さずに、直接パレスチナ人に届けられることで合意がなされていたという。
そのため今回、郵便物の差し止めが明らかとなったことを受け、パレスチナ自治政府のAllam Moussa情報通信大臣はイスラエル側が覚書を実行に移していないとして非難している。
一方、イスラエル側は今回の手紙の引き渡しは親善のためだと述べているが、それ以上のことは声明でも発表していない。(了)
出典元:BBC:Palestinian mail blocked by Israel arrives eight years late(8/15)
出典元:The New York Times:Sacks of Mail Reach the West Bank, 8 Years Late(8/15)