米ミズーリ州がコロナウイルス被害の補償を求め、中国を提訴
米国ミズーリ州のEric Schmitt司法長官は4月21日、米国連邦地方裁判所に中国政府を提訴する訴状を提出した。
州司法長官は、中国政府が新型コロナウイルス感染症の発生に関する情報を組織的に操作したとし、それによってミズーリ州が被った被害の補償を中国政府に求めている。
中国は嘘をついた
州が訴えを起こした相手は、中国政府、中国共産党をはじめ、中華人民共和国国家衛生健康委員会や武漢市、武漢ウイルス研究所ほか5つの政府組織。2019年12月から2020年1月の新型コロナウイルスの感染拡大について、中国政府とその下部組織は世界を「欺いた」と同州は主張し、その結果州が被った損害の賠償を求めた。
提出された訴状には次のようなことが書かれている。
Covid-19(新型コロナウイルス)は、病苦や死、経済の混乱を引き起こし、世界の国々に修復不可能なダメージを与えた。
中国政府は、Covid-19の伝染性と危険性について世界に対して嘘をつき、内部告発者の口を封じ、感染拡大を阻止することをほとんどしなかった。この責任は追求されるべきである。
ミズーリ州では、ウイルスの多大な被害が現実として出ている。何千人もの人が感染し、そのうちの多くが死亡した。家族はその死に目にも会えない。中小の企業は営業できず、日給暮らしの従業員は日々の食事にも困っている。
米国裁判所が中国政府を裁けるのか?
連邦地方裁判所はSchmitt司法長官の訴状を受け付けはしたものの、裁判が実際に行われるかどうかは疑問だ。
一国の政府やその下部組織には、主権免除(sovereign immunity)というものが認められており、外国では裁判を行えないという国際習慣法がある。そのため、「中国政府を相手取った裁判を米国内では行えないだろう」と複数の海外メディアが報じている。また、「司法長官の再選を狙ったSchmitt氏のパフォーマンスではないか」という意見もある。(了)
出典元:Forbes:Missouri Is Suing China’s Government, Claiming It ‘Lied To The World’ Over The Coronavirus Crisis(4/22)
出典元:Metro:US state sues China for ‘lying’ about coronavirus pandemic(4/21)