スペインで貧困層向けにベーシックインカム導入へ、新型コロナによる経済対策として
新型コロナによる経済の落ち込みに対処するため、スペイン政府は貧困層に向けて「ベーシックインカム」を導入することを承認した。
1カ月5万5000円を支給
スペイン政府は5月29日、貧困層の人々に対して1カ月に462ユーロ(約5万5000円:成人1人)を支給する「ミニマム・インカム」を創設することを承認した。
Pablo Iglesias副首相が記者会見で述べたところによれば、この計画は250万人の国民を対象としたものになるという。
内閣の閣議において承認されたこの布告に基づき、社会労働党が率いるこの政権は、少なくとも最低限の生活費を貧困層に与えるため、毎月給付金を支払うことになるそうだ。(支給は来月から一部の世帯に対して行われる予定)
家族の人数に応じて増額
この「ミニマム・インカム」は、家族の人数に応じて増額され、1人当たり139ユーロ(約1万7000円)を加算。最大で1カ月1015ユーロ(約12万円)支給されることになるとか。
この新しいプログラムは、85万世帯に届けることを目的としており、政府は年間で30億ユーロ(約3600億円)支出することになるという。
これは最低限所得保障の「ベーシックインカム」を組み込んだ経済プランで、以前から選挙公約になってきたが、今回新型コロナによる経済の落ち込みのために、計画が加速されたと言われている。
スペインはヨーロッパでも新型コロナの影響を大きく受けた国の1つとされ、現在までに感染者が約23万8000人に達し、2万7000人が死亡しているそうだ。
またスペインはヨーロッパ大陸において最も失業率の高い国とされ、今年は最大で12%も経済が落ち込むと見られている。(了)
出典元:France24:Spain’s government pushes through basic income guarantee to fight poverty(5/29)