香港で行われた民主派の予備選挙、国家安全維持法の中でも多くの市民が投票
先日、香港で民主派による予備選挙が行われたが、「国家安全維持法」で無効になる恐れがあったにもかかわらず、多くの市民が投票を行った。
予想を超えた高い投票率
7月12日、香港では2日目になる予備選挙が行われ、250の投票所には多くの市民が押しかけ、長い列を作ったという。
この予備選挙は、今年9月の立法会の議員選挙に向けて、民主派が自らの候補者を51人から約30人に絞り込むもの。
民主派の活動家らは、高い投票率を望んでいたが、初期の予想よりもはるかに多くの人々が投票所へ足を運んだそうだ。
選挙の主催者は先週末までは17万人が投票を行うと予想していたが、日曜日の午後までになんと50万人が投票したことが明らかとなる。(最終的には61万人が投票したと言われている)
‘Hong Kong people made history again’: Over 600,000 vote in democrats’ primaries as co-organiser hails ‘miracle’ turnout
CC BY 4.0 pic.twitter.com/fytoCQeH11
— Studio Incendo (@studioincendo) July 12, 2020
「香港人は決して諦めない」
実はこの選挙が行われる前、中国当局はこの予備選挙が「国家安全維持法」の「国家分裂や政権転覆にあたる」可能性があると示唆していた。
にもかかわらず市民らの多くが投票を行った。このことについて候補者の1人であるSunny Cheung氏は次のように述べている。
「高い投票率は、国際社会に対して『私たち香港人は決して諦めない』という強いシグナルを送ることになるでしょう」
また同じく民主派議員であるEddie Chu氏も「今回の選挙は、国家安全維持法に対する代理の国民投票だ」と語っている。
立法会の議員選挙は、7月18日から立候補の受け付けが始まる予定。このため民主派は今回の結果を踏まえて候補者を届け出ることになる。
ただし、民主派の野党候補者らは、立法会の議員選挙で当選しても「国家安全維持法」に反対しているとして中国当局から立候補が取り消されることもありうるという。
民主派候補のOwen Chow氏は「彼ら(当局)は国家安全維持法の名の下で、適切な理由もなしに、自分たちが嫌いなあらゆる候補者を逮捕もできるし、資格をはく奪することもできるのです」と述べている。(了)
出典元:BBC:Hong Kong: Opposition primaries draw thousands despite security law fears(7/12)
出典元:NHK:香港 立法会選挙の民主派予備選 61万人超が投票に参加(7/13)