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デンマークの前大臣が有罪で刑務所へ、過去の移民政策に重大な過失

デンマークの前大臣が有罪で刑務所へ、過去の移民政策に重大な過失
flickr_Kristoffer Trolle

デンマークの前移民相が弾劾裁判を受けた結果、有罪となり、刑務所へ送られることになった。

 

2016年の難民政策に関し有罪

 

その前移民相とは、Inger Stoejberg氏。当時、中道右派のVenstre党に所属していたStoejberg氏は、2015年から2019年まで移民大臣を務めたという。

 

その間、彼女は強硬な姿勢でデンマークへ亡命する人々に対し、厳しい制限を課してきたそうだ。

 

そして今年の12月13日に弾劾裁判が行われ、2016年に難民の夫婦を引き離した政策をめぐり、「重大な過失」があったとして、Stoejberg氏に有罪判決が下された。

 

Stoejberg氏は、今後60日間刑務所で服役をしなければならない。

 

未成年の難民の夫婦を別々に収容

 

問題となった政策は、2016年2月に実施され、Stoejberg氏は18歳未満の難民の夫婦を一緒に収容させないように命じたという。

 

この結果、合計23組の夫婦が引き離されたそうだ。この措置を受けた夫婦らは、妻が15歳から17歳、夫は15歳から32歳までだったとされている。

 

もっともこの措置はすぐに議論を呼び、17歳の妻が妊娠中に別居を強いられたシリア人夫婦などから複数の苦情が寄せられ、その後撤廃されたという。

 

スタッフの警告も無視していた

 

当時、Stoejberg氏は、「児童婚を減らすための措置だっただけに、この騒動には驚いた」とコメントしていた。

 

しかしこの措置に関しては、結婚した未成年者が実際にどうなのかを判断する手続きを省き、年齢で自動的に夫婦を分けたことが批判されたそうだ。

 

実際に、苦情を申し立てた若い夫婦は全員、結婚に同意していたという。

 

また今回の弾劾裁判は、議会で多数を占める社会民主党を中心とする中道左派連合により決議されたもので、その際の調査委員会の報告でも、Stoejberg氏が「この措置は違法である」とのスタッフからの警告を無視したことが明らかにされた。

 

今回の弾劾裁判所の判決には不服を申し立てることはできず、元大臣が実刑を免れる方法はないと言われている。(了)

 

出典元:DW:Denmark: Ex-immigration minister sentenced to jail over couple separations(12/13)

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