ロシアのプーチン大統領は核兵器を使用するのか?イギリス高官らの見方とは
イギリスの国防大臣であるベン・ウォレス氏は、プーチン大統領がウクライナで核兵器を使うか、に関して独自の見立てを述べた。
英国防大臣「核兵器の使用の可能性は低い」
ロシアのプーチン大統領は、ここ数カ月、自国が脅かされた場合は「自由に使えるすべての手段」を使うと、厳しい警告を何度も発してきた。
そしてこれらの発言は、ロシアが先日併合したウクライナ4州への攻撃に対しても、戦術核兵器を使用する可能性を示唆するものと考えられてきた。
しかしベン・ウォレス国防大臣は、保守党の会議において、「核兵器の使用の可能性はかなり低い」と述べたという。
中国やインドが許さない?
ウォレス国防大臣は、その理由について、次のように述べている。
「核兵器の使用はロシアの軍事ドクトリンにあるが、モスクワの同盟国であるインドや中国には受け入れられないだろう。プーチン氏は、インドや中国の指導者との会談で、何が許容され、何が許容されないかを非常に明確に理解させられた」
ただし、イギリスで起きた元ロシアのスパイの暗殺事件から今回のウクライナの侵攻まで見ても、「ロシアの指導者(プーチン)の行動は、まったく非合理的である」と述べた。
安全保障相は警告
一方、イギリスのトム・トゥーゲントハット安全保障相は、チェチェン共和国の指導者、ラムザン・カディロフ氏が、ウクライナで「戦術核兵器」を使うべきと発言したことを重く受け止めているという。
トゥーゲントハット安全保障相は、カディロフ氏の発言の影響力は強く、「決断」を促すことになるかもしれない、と警告した。
ただ同時に、ロシアのプーチン大統領が、すでにウクライナの領土の一体性を認識している可能性がある、とも指摘している。
一部の物資の不足を認める
またウォレス国防大臣は、ウクライナでの戦争が続いていることから「備蓄品やサプライチェーンを確実に保護する必要性がある」と述べ、一部の物資が国内で「かなり不足している」ことを認めたという。
ただし、国防大臣はロシアもある部分では、ひどく苦しんでいると発言。その理由はロシアの供給業者もウクライナにおり、爆撃を受けているためで、このことはプーチン大統領が「戦略の天才」であることを明らかに証明している、と皮肉った。(了)
出展元:LBC:Putin ‘highly unlikely’ to use nuclear weapons but is not acting in a ‘rational’ way, says Defence Sec(10/2)