国連安保理で皆がウクライナのために黙祷、ロシア大使が「ちょ、ちょっと待った」
ロシアによるウクライナへの侵攻から1年を迎え、国連安保理の会合では出席者が立ち上がり、1分間の黙祷を行った。
黙祷前に、机やマイクをペンで叩く
2月24日、ウクライナのドミトロ・クレバ外相は安全保障理事会の会合で、演説を終えた後、出席者に次のように述べ、1分間の黙祷をお願いした。
「ロシアにより破壊された命と運命に対して、私たちが哀悼の気持ちを捧げる悲劇の日(2月24日)において、私は心から皆さんに、ロシアによる攻撃で犠牲になった人々を思い、1分間の黙祷をお願いしたいと思います」
すると出席していた各国の国連大使らが、席を立ち始めた。しかしその時、ロシアの国連大使であるVasily Nebenzia氏は座ったまま、ペンで机やマイクを数回叩き、黙祷に「待った」をかけたという。その様子がこちら。
起立した理由を述べる
結局、Nebenzia氏も起立したようだが、その後議長に発言権を求め、次のように述べた。
「2014年からウクライナで起きたことの犠牲者、つまり亡くなった全ての人々の記憶を称えるために、私たちは(席を)立ったのです」
他の動画を見ると、その発言の後もNebenzia氏は、その場にいる人々に起立するよう促しているが、その後の経緯についてはよく分からない。
2014年とは、ロシアがクリミアを一方的に併合し、ウクライナ東部のドンバス地方でロシア政府寄りの分離主義グループが武力衝突を起こした年となる。
プーチン大統領は、この武力衝突による虐殺からロシア系住民を守るために、ロシア軍がウクライナ侵攻を決断したと主張してきたが、そもそも分離派とウクライナ軍との衝突を引き起こしたのも、実質的にはロシア政府の仕業だと考えられている。(了)
出典元:METRO:Russia’s UN envoy interrupts minute’s silence for Ukraine(2/24)