米がウクライナに「クラスター弾」を供与へ、支援策に盛り込む予定
アメリカ政府が、ウクライナに「クラスター弾」を供与する方針だと報じられている。
世界の大半の国で使用が禁止
アメリカのバイデン政権は7月7日に、新たなウクライナ支援策を発表する予定で、その中に「クラスター弾」が含まれることになるという。
「クラスター弾」とは、第2次世界大戦中に初めて使用された兵器で、通常、1つの弾薬の中に大量の小さな弾が収められ、それが飛散し、一度に多くの敵を殺害できると言われている。
ただ同時に、民間人も犠牲になる可能性が高いことから、2008年には「クラスター爆弾に関する条約」が締結され、現在世界の大半の国で使用が禁止されている。
しかしアメリカやロシア、ウクライナは、この条約に署名していない。下はロシア軍が、シリアのアレッポで使用した時の映像。
人権団体は供給しないよう要請
人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は、「クラスター弾」をウクライナに供給しないようアメリカに要請。
またロシアやウクライナに対しても、「クラスター弾」を使用しないよう求めたという。
「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は「クラスター弾をウクライナに供給すれば、長期に渡って市民を苦しめることは必至である」と述べている。
ルーマニアがパイロット訓練基地を検討
ルーマニアは、F16戦闘機のパイロットの訓練を行う基地の中心地を作ろうとしているという。
その基地は、ヨーロッパ地域における戦闘機訓練のハブ(中心地)となる予定で、最終的にはウクライナや、NATO加盟国も利用できるようになると報じられている
EUとNATOの加盟国であるルーマニアは、国内にアメリカの弾道ミサイル防衛システムを設置しており、昨年からNATOの戦闘部隊も常駐しているそうだ。
米元高官らが、ロシアと秘密会談
アメリカの国家安全保障に関わっていた元高官のグループが、ロシア側と秘密会談を行ったと報じられている。
この会談は、ウクライナでの戦争を終わらせるために、交渉の基礎を築く目的で行われたとされ、アメリカの元高官らは、ロシアのラブロフ外相を含む多くの著名なロシア人と極秘に会談を行ったという。
アメリカ国務省の報道官は、バイデン政権がこの会談をやめるよう働きかけをしなかったと述べている。
「プリゴジンはロシアにいる」
ベラルーシの大統領は、「ワグネル」のトップであるエフゲニー・プリゴジン氏が、ロシアに戻ったことを明らかにした。
プリゴジン氏は、ベラルーシに移ることで、反乱の責任を免れたと報じられてきたが、ベラルーシのルカシェンコ大統領は、次のように語ったという。
「プリゴジンは、(ロシアの)サンクトペテルブルクにいる。彼はベラルーシの領土にはいない。今朝、プリゴジンはどこにいるか?恐らく、モスクワへ向かったのだろう」(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war live: six die in missile strike on Lviv; US to send cluster munitions to Kyiv(7/6)