米政府とEU、人質解放の時間を稼ぐため、イスラエルに圧力
アメリカ政府とEUは、パレスチナ武装勢力「ハマス」によって人質にされた人々を解放させるため、時間を稼いでいるようだ。
ガザへの地上侵攻を遅らせようと圧力
現在、アメリカやEUは、「ハマス」に捕らえられた人質解放のために秘密交渉を行っているとされ、ガザ地区への地上侵攻を遅らせようと、イスラエルに圧力をかけているという。
そしてイスラエル側は、アメリカの圧力で、人質解放まで大規模な地上侵攻作戦を行わないことで合意したそうだ。
すでにカタールの仲介で、人質になっていたアメリカ人の母娘が解放されたが、まだ約200人が人質になっていると言われている。
しかもカタールを仲介した人質解放への交渉は微妙とされ、「ハマス」側は、解放の条件として、イスラエルの刑務所に捕らえられている6000人の仲間を釈放するよう要求しているが、イスラエル側はそれに応じる気配はないという。
ただ人質解放の取り組みを行っている情報筋の話では、「ハマス」がイスラエルに囚人の解放を要求することなく、少なくとも一部の民間人の人質解放に同意する兆しがあるそうだ。
「人道的危機の悪化を懸念している」
ワシントンD.C.では、ジョー・バイデン大統領とEUのシャルル・ミシェル欧州理事会議長、ウルスラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長が会談。その後、次のような共同声明を発表した。
「我々は、ハマスとそのイスラエル全土にわたる残忍なテロ攻撃を、最も強い言葉で非難する。テロリズムを正当化することはできない。我々は、国際人道法を含む国際法に従い、こうした凶悪な攻撃から自らを守るイスラエルの権利を確認する。我々は、この地域のパートナーと緊密に協力し、民間人を保護し、安全な場所に移動しようとする人々を支援し、あるいは援助を提供し、食糧、水、医療、避難所へのアクセスを容易にすることの重要性を強調する。私たちは、ガザにおける人道的危機の悪化を懸念している」
ガザ地区への人道支援について会談
またバイデン大統領は20日、イスラエルのネタニヤフ首相と会談。エジプトからガザ地区への人道支援開始計画について話し合ったという。
バイデン大統領は、イスラエルの自衛権と自国民を保護する義務に対するアメリカの支持を再確認する一方で、この紛争に巻き込まれたガザの民間人の保護を含む、戦争法に沿った活動の重要性を強調したそうだ。
そして21日には、ついにエジプトとガザ地区との境界にある、ラファ国境検問所が開通した。
これにより医療物資を運ぶエジプト製のトラック20台が通行を許可され、ガザ地区内へ運び込まれたという。
しかしある国連職員は、次の輸送部隊の通行が23日まで許可されない可能性があると述べている。(了)
出典元:The Guardian:Israel-Hamas war live: talks reportedly ‘ongoing’ for more hostage releases; Israel orders five Gaza schools to evacuate ‘as fast as possible’, says UN agency(10/20)