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ネアンデルタール人も絵を描いた?スペインの洞窟で測定された最古の壁画【動画】

ネアンデルタール人も絵を描いた?スペインの洞窟で測定された最古の壁画【動画】
University of Southampton/P.Saura

現代人とは別系統の人類とされてきたネアンデルタール人。彼らが描いたと思われる壁画が、スペインの洞窟で複数測定され、注目を集めている。

 

6万4000年前に描かれた壁画

 

Southampton大学とMax Planck研究所が行った新たな研究によれば、スペインの3つの洞窟にある壁画は今から約6万4000年前に描かれたことが分かり、それはヨーロッパに現生人類(ホモ・サピエンス)が到着する2万年も前のことだという。

 

この旧石器時代の壁画には動物の絵や点、さらに幾何学的な記号が描かれており、当時ヨーロッパに唯一存在していたネアンデルタール人によって書かれたと考えられるそうだ。

 

またこのことからネアンデルタール人が象徴的に思考することができ、現代人と同じような芸術的な感覚を持っていることが示されたと言われている。

 

今回の研究についての論文は2月23日に「Science」において発表されたが、共同主筆であるSouthampton大学のChris Standish博士によれば、これは信じられないほど素晴らしい発見であり、以前考えられていたよりも、ネアンデルタール人が洗練されていた可能性を示唆しているという。博士は次のように語っている。

 

「私たちの調査結果は、年代を測定した壁画が、今までのところ世界で最も古い洞窟アートであることを示しています。また壁画は現生人類がアフリカからヨーロッパに到達するより、少なくとも2万年も前に作られたことから、ネアンデルタール人によって描かれたに違いありません」

University of Southampton/J.Zilhão

文化を持たないと考えられてきた

 

この調査はドイツやイギリス、スペイン、フランスなどの研究者らによって行われたが、彼らはスペイン北東部にある洞窟「La Pasiega」や、西部の「Maltravieso」、南部の「Ardales」といった3つの洞窟から60以上のサンプルを採取。

 

ウラン・トリウム年代測定法と呼ばれる新たな手法を活用し、分析した。この手法は正確性が高く、他の手法を使った場合よりも年代をさかのぼることが可能とされている。

 

これらの全ての洞窟では、赤や黒の色を使い、動物の群れや点や線、幾何学記号が描かれており、また手形や彫刻もあったそうだ。

 

研究者らによれば、このようなアートを作り出すことは、場所の選択や灯火のプランニング、顔料を混ぜることなど、洗練された行動に関わっているという。研究の共同主筆でSouthampton大学考古学サイエンスのAlistair Pike教授は次のように語っている。

 

「19世紀にネアンデルタール人の化石が発見されてからまもなく、彼らは粗野で文化を持たず、アートや象徴的行為ができない存在として描かれてきました。これらの視点のいくつかは現在でも維持されています。ネアンデルタール人のような人間がどのように行動していたのかという問題は、熱心に議論されてきたテーマなのです。私たちがこの論争に重要な貢献をすることになるでしょう」

 

また共同主筆であるMax Planck研究所のDirk Hoffmann氏も、象徴的な物質文化、つまり文化的かつ知性的に達成され、積み上げられたものは世代にわたって伝承されるが、このことは今まで現生人類にしか見られなかったと指摘。その上で次のように述べている。

 

「象徴的物質文化の出現は、人類の進化において基本的な発端を表しています。それは何が私たちを人類にさせたのかを問う主要な柱の1つなのです。実用的な面ではなくむしろ象徴的な使用において価値を持つアート作品は、私たちが知っているように人間の認知における基本的局面につながるもの(委任状)なのです」

University of Southampton/Chris Standish
University of Southampton/J.Zilhão

過去に発見されたアートは現生人類のもの

 

実は最も初期の象徴的なアートはすでにアフリカで発見され、7万年前に遡るとされてきたが、それらは現生人類との繋がりが指摘されてきたという。

 

またヨーロッパでも4万年前のものと思われる洞窟壁画や、彫刻された像、装飾が施された骨の道具、宝飾品など他のアート作品が発見されていたが、それらも当時アフリカからヨーロッパに到達した現生人類によって作られたものだと結論づけられていたそうだ。

 

もっとも以前からヨーロッパに住んでいたネアンデルタール人が4万年前から4万5000年前には体に装飾を施していたという証拠もある。しかし多くの研究者は、それらの行為が現生人類の影響を受けたと考えているという。

 

しかし今回の発見により、ネアンデルタール人が独自に壁画を描いていた可能性が高まった。共同著者であるDurham大学のPaul Pettitt氏は次のように語っている。

 

「ネアンデルタール人は意義深い場所で、意味のある象徴を作り出しました。そのアートは1回きりの偶然ではありません。私たちは700kmも離れた3つの洞窟で具体例を得て、それらが長く続いた伝統であるという証拠も得ました。西ヨーロッパの他の洞窟にある似たような壁画も、ネアンデルタール人が描いたものである可能性が非常に高いと思います」(了)

 

BBCではさらに詳しく解説している。そちらもご覧いただきたい。

 

 

出典元:University of Southampton:Earliest cave paintings were made by Neanderthals(2/23)

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