NASAが火星の表面に氷を発見、8つの斜面で露出しているのを確認


NASAの研究者らが火星の表面で氷が露出している場所を複数発見し、注目されている。

 

8つの場所で氷を確認

 

今回NASAの研究者らは、火星の周回軌道から調査を行う「マーズ・リコネサンス・オービター(MRO)」を使用し、その観測データに基づき研究を行ったという。

 

そもそも火星上に氷が存在することは以前より知られていた。しかし今回の調査の結果、火星の表面より下にある厚い氷の堆積物が、侵食された坂の表面にむき出しになっているのを発見したそうだ。

 

しかもこれらの急斜面は8つのサイトで確認され、傾斜角度も約55度あったとか。これにより、以前火星の中緯度で発見された地下氷床の内部構造についても、新しい情報が得られたとしている。

 

ほぼ純粋な氷、層ごとに形成か

 

この氷はかなり以前に堆積したとされ、それらは「ほぼ純粋な氷」として、急斜面に露出しているという。

 

またそれにはしま模様があり、色の変化がみられ、氷で固められた岩やチリなど1mから2mほどの厚さの層に覆われているそうだ。

 

このことは氷が層ごとに形成されたことを示唆しており、雪が長い間に堆積して氷床となるように形成されたことが考えられるとか。

 

さらに露出した氷の一部は、表面から1メートルほどの浅いところから地下100メートル以上にまで達していると見られている。

NASA JPL

北半球と南半球にそれぞれ存在

 

これらの8つのサイトは火星の北半球と南半球それぞれに存在し、緯度は約55度から58度、ちょうど地球で言えばスコットランドや南アフリカの先端の場所に相当するそうだ。

 

研究者によれば今回の発見により、将来行われるロボットや人間による火星探査ミッションにおいて、以前考えられていたよりも容易に氷が入手しやすくなる可能性があるという。アリゾナ大学のShane Byrne氏は次のように語っている。

 

「宇宙飛行士たちは基本的に、バケツやシャベルを持ってそこへ行けるかもしれない。そして彼らが必要な水をすべてそこから得られるかもしれません」

 

またこれらの氷には異なる層の存在することが色の帯および変動から示唆されているため、同時に火星の気候の歴史を知る手掛かりも得られたとしている。

 

NASAは2030年代までに火星に人間を送り込む、有人探査ミッションを計画しているが、今回の発見はその計画にも影響を与えるかもしれない。(了)

 

 

出典元:NASA:Steep Slopes on Mars Reveal Structure of Buried Ice(1/11)