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地球から最も離れた探査機「ボイジャー1号」が回復、地球へデータを送信

地球から最も離れた探査機「ボイジャー1号」が回復、地球へデータを送信
flickr_Kevin Gill

数カ月前から、異常を示していた探査機「ボイジャー1号」が回復し、地球に正常なデータを送信したという。

 

正常に地球と通信が行えるように

 

46年前に開発された探査機「ボイジャー1号」は、現在太陽系の外を飛行しているが、昨年の12月、240億km離れた地点から意味不明なコードを、地球に送信してきたという。

 

このためNASAのジェット推進研究所(JPL)のエンジニアらが、数カ月にわたって遠隔操作で、「ボイジャー1号」を修理。その結果、再び正常なデータを地球に送信してきたそうだ。

 

ジェット推進研究所が4月22日に発表したリリースによれば、「ボイジャー1号」のシステムの健全性や状態に関するデータを入手することができたという。

 

また次のステップは科学データを再び地球へ送信できるようにすることだが、「ボイジャー1号」は全体的には正常に機能していたそうだ。

 

1977 年に打ち上げられ、土星などに接近

 

「ボイジャー1号」は1977 年に打ち上げられ、5年間のミッションで木星と土星に接近し、観測するために設計されたという。

 

そしてミッションを終えた後も移動を続け、2012年8月には太陽系の外へ到達。現在も時速6万821kmで移動を続け、運用も半世紀に及ぼうとしている。

 

今回の問題は、搭載された3台のコンピューターの内の1台に関わるもので、これらのコンピューターは、科学および工学データを地球に送信する前に、パッケージ化する役割を担っているそうだ。

 

ジェット推進研究所のエンジニアらは、壊れたチップを修復できなかったため、破損したコードを別の場所へ移動させることで、正常に回復させることができたという。

 

「ボイジャー1号」とその姉妹探査機である「ボイジャー2号」のコンピューターのメモリは合計で70キロバイト未満。これは低解像度のコンピューター画像に相当し、データを記録するためには、昔ながらのデジタルテープを使用しているそうだ。

 

また修正用のデータは、4月18日に地球から送信されたが、信号が「ボイジャー1号」に届くまでに約22時間半、応答が返ってくるまでに22時間半かかったため、それが成功したかどうかを評価するのに、2日もかかったと言われている。

 

そして20日に「ボイジャー1号」からの通信を受け取った時、エンジニアらは修正が成功したことを確認できたという。(了)

 

出典元:The Guardian:Voyager 1 transmitting data again after Nasa remotely fixes 46-year-old probe(4/23)

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