4億700万年前の最古の真菌、英の博物館内で発見される
イギリスの博物館のコレクションの中から、植物に病気を引き起こす化石化した真菌が発見された。
ロンドン自然史博物館の標本で発見
その寄生真菌は、ロンドン自然史博物館に所蔵されている標本のうち、「Asteroxylon mackiei」と呼ばれる古代の植物の内部で、化石化した状態で発見されたという。
この真菌は糸状菌(いわゆるカビ)であり、植物に感染症を引き起こす菌の一種で、植物の外壁を突き破り、宿主の細胞を殺し、栄養素を吸収していたそうだ。
これは今から4億700万年前の最古の真菌と推定されており、「ポッテロマイセス・アステロキシリコラ(Potteromyces asteroxylicola)」と名付けられた、
別の博物館でも確認され、新種と特定
真菌とは核膜を有する真核生物で、細菌よりは哺乳類の細胞に近く、酵母、糸状菌、キノコを含む生物群とされている。
研究者らは今回、3D画像を作成するために顕微鏡で植物サンプルを分析している時、ロンドン自然史博物館の1枚のスライドに、今まで見たことのない真菌と思われるものが含まれていることに気づいたという。
またスコットランド国立博物館のコレクションでも2つ目の標本が発見され、それにより研究チームは、これが新種であることを確認できたそうだ。
これは、植物に病気を引き起こす寄生真菌が記録された最古の例とされている。今回の研究内容は、12月1日に科学誌「Nature Communications」に掲載された。(了)
出典元:Livescience:Earliest known parasitic fungus discovered in fossilized plant frozen in time 400 million years ago(12/13)